守るのはあなたの手だけではなく。 (Page 5)

「…ラファエロさん…っ、もう…」

切羽詰まった様に声を上げて、ルイはダニーにしがみつく。

「出して大丈夫ですよ…」

「あなたは…っ」

「私も…そろそろです…」

ダニーはまとめて愛撫していた二人分の中心を、片手ずつ握り直し、射精に向かうように手を動かす速度を上げた。

「あっ、あっ…ああ…っ、気持ちいい…」

「ええ、気持ちいいです」

ダニーはルイの耳に唇を寄せて舌を這わせながら、二人分の中心を両手でそれぞれに愛撫をしていく。

ダニーの鎖骨に額を押し当てて、ルイは体を震わせた。

「あぁ…ッ!!」

ルイはぐったりと体から力を抜いて、ダニーにもたれかかった。

一呼吸あと、ダニーも体を震わせて達した。

二人の間に沈黙が流れる。

いつの間にか、雷も雨も止んでいた。

「…雨、止みましたね」

ダニーは手を拭いながらそう呟く。

ルイは冷静さを取り戻したのか、青ざめていた。

慌てた様子でダニーの上から退き、身支度を整えると深々と頭を下げる。

「す、すみませんでした…、こんなことをさせてしまって…」

ダニーは少し困ったような顔をしつつ、自分の乱れた服を直す。

「いえ」

ダニーはベッドから降り、背筋をまっすぐに伸ばして、腰を折った。

「私の方こそ、申し訳ありませんでした」

「そ、そんな、そんなことしないでください。私が悪いのですから…」

二人はしばらく押し問答を続け、お互いに謝り続けることになってしまい、今度は二人で沈黙する。

「…ええー、雇われの身である私からこのようなことを申し上げるのは良くないかと思いますが…」

ダニーは沈黙を破り、そう切り出した。

「私は…雷が怖いというあなたを、雷から守った…というような強引な解釈をしまして…」

ダニーの提案に、ルイはポカンとした表情を浮かべている。

決まりの悪そうな様子で、ダニーは言葉を続ける。

「私のほうも気持ちよくしていただいたのは、報酬という形で、いかがでしょう」

引き続きポカンとしていたルイは、まじめな表情でそんな提案をするダニーに、噴き出した。

「報酬、だったんですね。私がみんなさせてしまったのに!あなたがそれで納得してくれるのであれば、私のほうは構わないですよ」

ダニーは少し、ほっとした表情を浮かべていた。

「あの、ラファエロさん。よければ、このまま私の警護を続けていただければと思うんですけど、いかがでしょう?」

「私でよろしいんですか」

「ええ。雷のことを話したのはあなただけですし、もちろんこんなことをしたのも、あなたが初めてですよ」

ここまでの間柄になってしまったので、逆に気が楽だとルイは言った。

「仕事は仕事としてきちんとあなたをお守りしますので、ご安心ください」

「よろしくお願いします」

正式な契約は夜が明けてからとルイは言い、ダニーは後かたづけをすることにした。

いつの間にか空を覆っていた雲は晴れ、いつもの穏やかなものに戻っていた。

Fin.

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