Hから始まる似た者同士の恋 (Page 4)

「アキ、あの日のこと覚えてないの?」

「あの日のことって、俺が酔ったカケルに襲われたこと?」

「…その前のことだよ…」

カケルはバツが悪そうに、頭をかきながら言った。

「あの夜、お前合コン行くって言ってたじゃん」

「あぁ、人数合わせで無理やり呼ばれたやつね」

俺は3日前の夜のことを思い出した。

知り合いにどうしてもと頼まれて、渋々合コンに参加したのだった。

俺は普段からそういう飲み会に行かないから、カケルには珍しく見えたのかもしれない。

「でも、それとなんの関係があるんだよ」

キョトンとしている俺を見て、カケルが悔しそうにため息をついた。

「だから飲んでたんだ」

「…え?」

「好きな奴が合コンに行くって聞いて、飲まずにやってられっかよ」

2度目の予想していなかった告白に、俺は腰が抜けそうになった。

同時に、目の前のカケルを無性に抱きしめたくなった。

「…カケル、いつから俺のこと好きなの?」

「教えねぇよ」

カケルが照れ臭そうに答えた。

「一緒に暮らし始めてから?それとも上京する前?」

「だから教えねぇって。でも…」

カケルは俺の腕を引くと、ぎゅっと力いっぱい抱きしめた。

「お前が想像してるより、ずっと昔からだよ」

その声が少し震えていて、俺は目頭がじわっと熱くなった。

だからカケルの背中に手を回すと、負けないくらい力いっぱい抱きしめた。

「俺、カケルの気持ちに…全然気づかなくて…ほんと…ごめ…ん」

今まで俺はどれだけ、カケルの前で好きな女の話をしただろうか。

初めて彼女ができた日も、童貞を捨てた日も、いの一番に親友のカケルに報告した。

それをどんな想いでカケルは聞いていたのだろう。

「アキが謝ることねぇよ。俺が勝手にずっと好きだったんだから」

カケルは俺の頬に手を添えると、いつもの優しい瞳で俺を見た。

俺はやっとこの見慣れた眼差しが、愛だったことに気づいた。

「カケル…恋人になった記念に、今から抱いてよ」

「え?アキ、付き合ってくれるの…?」

「ふ…っ」

俺は笑うと返事の代わりにキスをした。

何度も角度を変えながら床に倒れ込む。

深夜3時を回ったキッチン、脱ぎ捨てた服の上。

2人の新しい関係が始まる。

Fin.

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