キス魔の弟が俺と彼を出逢わせた (Page 4)

「おにーさん、もういれていい?」

「ぁ…あ…」

 シーツを握りしめて、上にあがろうとしても腰を押さえられて動けない。

 下半身に目を向けると、今にも爆発しそうな湊くんの肉棒があった。

 何回もイッてる俺と違って、湊くんは一度もイッてない。

 汗をかくくらい何時間も俺の中をほぐしてくれていたんだ。

「…うん、きて」

 ふとももをあげ、期待する目で湊くんを見た。

「だから、煽んなってば!」

 ふくらはぎをつかまれて、湊くんが覆いかぶさる。

 ──ジュップンッ…

「かっ…は…ッ!」

「息して、おにーさん」

「…ぁ、は…ん」

 腰が揺れて、勢いよく入った肉棒がクチクチと音をたてる。

 それだけで気持ちよくて、頭がふわふわとした。

「…きもち、い」

「おにーさ…いっ!」

 その呼び名にムカついて、湊くんの腰にかかとを落とした。

「ひやあああっ! ぁ、あ、ん…ああっ…」

 だけど自分に響いて、脳の中で星が散る。

「ミツキさんの中に俺が入ってるんだから、攻撃したらミツキさんに響いちゃうよ」

「んっ…うぅ、だ、って…」

「ハジメテだから知らなくてもしょうがないよね」

「ひやぁっ!」

 腰を引っ張られ、バチュンッと深いところをつく。

 トントンとリズムよく小刻みに腰を打ち付けられる。

「あっ、あんっ、あ…ひやぁ…んあ、ああっ」

「はぁ…、やらしぃ声」

「ふぇ…? ぁ、んっ!」

 指を口に運び、声が出ないように食(は)む。

 だけどその手がすぐに奪われた。

 良質なベッドに縫い付けられ、俺の口は湊くんの口にふさがれる。

 それと同時に腰の動きが速くなった。

「んんっ、んんんっ! んー! ふあぁ、んぁっ!」

 酸素を求めて逃げようとしても、湊くんの手がそれをはばんだ。

 あごをつかまれて深い口づけを交わしながら、お腹の奥深くを責められる。

「はぁ、ああっ」

「ミツキさん」

「んぁ…?」

 湊くんの顔が近づいて、両手の指を絡ませてつなぎなおす。

「夢みたい…、おにーさんを抱けるなんて」

「…夢じゃ、な…あっ」

「うん。…好きだよ、ミツキさん」

「ははっ…うん」

 その夜は湊くんに求められるまま、何度も何度も抱かれた。

「ミツキさん、僕と付き合って。好きにさせてみせるから」

「…ん、いいよ」

 湊くんの唇が俺の唇に重なる。どちらともなく舌を絡ませた。

 そしてその夜が俺と湊くんの始まりになった。

Fin.

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