狂い乱れる箱庭 (Page 2)

 肌をなぞる熱い舌に身体がビクリと跳ねる。

「はぁ…ぁあ…っ」

 クチュぅ…とケツから指が抜かれ、吐息が零れた。

 昼間から、ソファーの上で足を開く。

 服はすべて脱がされ、颯の唇と指が俺の素肌をなぞった。

「昨日もしたから柔らかいね」

「…うっせーよ」

「これじゃあもう女の子、抱けないね」

「ッ…うっぜぇ、よ! はぅんッ!」

 指が何本も入り、かき回すように指が暴れる。

 奥には届かないけど、お腹の裏側をなぞられて体が跳ねた。

「あーあ、強気だなぁ。こんなんなっても、まだ忘れられないなんて」

 別にそんなんじゃない。

 学生時代に付き合っていた女なんて、もう忘れた。

 あの頃は本気で好きだったし、大学も同じところに受かるために勉強だって頑張った。

 でも、それは叶わなかった。

「あぁ、ああっ! あっ、やぁ、ああああっめぇ…!」

「やめないよ。お前はもう俺の、俺だけの…」

「ち、が…アッ…」

「違う? ああ、そうだね。マオは皐月のものでもあるもんね」

 グチャクチャと音が響き、颯の指に考えがまとまらない。

 与えられる快楽に抗えず、変わってしまった自分の身体は止められない。

(みっともない姿は見せたくねぇのに…)

*****

 いつの間に寝てしまったのか、目が覚めると夜だった。

 カーテンが閉められ、部屋には淡い色のオレンジ色の電気だけ。

 あれから寝室に運んでくれたのか、ベッドの上に寝ていて布団までかけられている。

 もちろん後処理もされ、服も変わっていた。

 時間的に夕飯を作っているのか、颯は部屋にいない。

 起き上がって、サイドテーブルに置いてある水を飲んだ。

 颯は気が利いて、何も言わなくても欲しいものを与えてくれる。

「…はぁ」

 口元を袖で拭い、もう一度ベッドへと横たわる。

 いい加減、向き合わないといけないかもしれない。

 あいつらの気持ちと、自分自身の気持ちに。

*****

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