社内のツートップが社長室で繰り広げたピンクでブラックな秘め事 (Page 2)

*****

2本の性器を収める瑛二の掌が、リズムよく上下に動く。

愛しい男の硬肉と指同士の凹凸が触れ合う感触に、智樹は溶けるような熱さを覚えていた。

公の顔は若手の敏腕社長だが、職場を離れれば生活力が皆無に等しい独身貴族。

炊事はもちろん、掃除や洗濯すら自分ではままならない。

そんな智樹に代わって執事やメイドのように、身の回りの世話をしていたのが瑛二だった。

その中でも、彼が特に手をかけてたのが趣味だという料理。

(今夜は会食がない日だったな…)

仕事の付き合いで豪華絢爛(けんらん)な料理は覚えきれないくらい口にしてきた。

しかし…

(今日は何を作るつもりだったのだろうか?)

智樹にとって最高のごちそうは瑛二が作る食事だった。

(最後の晩餐(ばんさん)に食べておくべきだった…)

下半身で淫らな欲を貪りながら、心中で後悔している時だった。

「最後まで余所見してるんじゃねえ」

怒りがこもった低い声に鼓膜を振動させられると、後頭部を片手で引き寄せられて瑛二に唇を塞がれた。

「んっ、ふっ…っ」

無防備な隙間から難なく侵入した熱く湿る舌が、智樹の口内を動き回る。

上では甘く呼吸を奪われ下では甘美な摩擦を与えられ続け。

上下の官能が智樹の心身を捉えて離さない。

(このまま死ねたら幸せだろうな…)

ふつふつとせり上がる熱情が、体内の酸素と同時に生存本能も奪っているようだった。

しかし、生死を往来する時間は突然に終わりを告げた。

2つの舌先で透明な糸を引きながら唇が遠ざかると同時に、智樹は足腰の力が抜けていくのを察した。

支えを求める手が瑛二のスーツのえり元をギュッと握る。

「キスしただけで腰抜かしたのかよ」

「…違う、そうじゃない」

「認めろって、社長のクセに往生際が悪い」

羞恥を煽ると瑛二は芯を含んだ2つの屹立をギュッと握り、上下運動を再開させた。

「っ、ぁっ…ぁっ!」

(瑛二のも太くて熱くて、硬い)

擦れる陰茎から同じ興奮を味わっていると思うと、智樹は欲情や悦びを抑えられなかった。

「うっ…あっ!」

太く長い指の中で肉棒が乱れた脈を刻み、質量を増大させた。

指先まで分散した体温が、ゆっくりと1箇所に集まっていくのを智樹は感じていた。

精の解放はもう遠くない。

智樹本人はもちろん、指全体へ伝わる感触で瑛二もそれは悟っていた。

一気に吐精へ導こうと、彼は体勢を変えないように身動いだ。

そして自身の肉棒に触れていた掌で、智樹のそれを覆った。

皮膚を上下に擦る勢いを上げる。

「…っ」

皮がピシッと限界まで張る感覚に、智樹は快感を覚えずにはいられなかった。

(でもダメだ、これ以上快楽に身を任せては)

「もう、いいっ」

薄れる理性で自身を律して独り言のような声で呟くと、瑛二の手首を掴んで動きを止めた。

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