うなじに赤い花

・作

学生寮に住む大学3年生のアオイは、周囲には内緒にしているが腐男子だった。ある日、同室のレイタに隠して持っていたBL漫画を見つかってしまう。皆には内緒にしてほしいというアオイに対して、レイタは内緒にする変わりにセックスを求めてきたのだった。

風呂から戻ってきたアオイは、絶句した。自分のベッドの上に、同室のレイタがゴロンと寝転がっている。それは別によかった。問題なのはそのレイタが読んでいる『参考書』と書かれた表紙のついた本だ。

「レ…イタ」

ワナワナと震えた唇から絞り出した声は、情けないほどに弱り切っていた。

「あ、おかえりーアオイ。この本さぁ…」

ヒョイと顔を上げたレイタは、何でもないことのように、読みふけっていたその本のページをアオイの方に向けてきた。瞬間、足元から崩れ落ちそうになるのを感じて、アオイはとっさにベッドのふちに手を着いた。

「こーゆうの好きなんだ?アオイ」

「なんで…それ…」

「調べたいことがあって、アオイの本棚にこの本があったから、借りようと思ったんだけど…」

確かに、レイタが手にしている本の表紙は、しっかりとした文字で参考書と書かれている。調べ物のために本棚から引っ張りだしたのだと言われてしまったら、そこにとがめる要素なんてない。

レイタは面白いものを見た、と言いたげな表情で、立ち尽くしているアオイの顔を下から覗き込んできた。

「まさか、中身が漫画だなんて思わなかったんだよ。それも…」

そこで言葉を切って、レイタはゆっくりとした手付きでページを1枚、めくった。カァッとアオイの顔が羞恥心で赤く染まる。

「BL?てやつ?」

レイタが見開いたページには、男性同士があられもない姿でまぐわうシーンが描かれていた。

しばらくの沈黙の中で、レイタがもう1枚、ページをめくる音が、カサリ…と響いた。

「アオイって、もしかして…ゲイ、とか?」

ヒュッと息を吸って、アオイは追い詰められた小動物のように肩をすくめながら、プルプルと首を振った。

「違うっそれは、本当に違くて…夏休みに実家で、姉ちゃんが置いてた漫画を…」

「…よくわかんないけど、姉ちゃんの漫画?を何で寮に持って来てんの?しかもわざわざ…表紙付け替えて」

そうレイタに言われ、アオイはグッと言葉を呑んだ。

嘘を言ったわけではない。ただ、付け加えるとすれば、夏休みといっても今年の夏休みではなく、3回ぐらい前の夏休みの話で。大学の学生寮にわざわざ持ち込んでいるその漫画は、姉のものではなく、ついこの間アオイが自分で購入したものだということで。そう、嘘はついてないのだ。

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