うなじに赤い花 (Page 6)

「ぁ…レイタ、だめ、イクッ、イキそう、だからぁっ」

「声、デカいって」

そう言って、レイタは急にアオイの身体を離した。

「うぅ…ぁ」

もうすぐ…というところで中断されて、アオイは不満気な声を上げながらも、手の甲を唇に押しつける。後ろで、避妊具の袋をピリリ…と破る音が聞こえてきた。

「アオイ、もうちょい腰、あげて」

グッと腹の下に腕を置かれて、腰の位置が上がる。ジクジクと熱を帯びた後孔に、ピトリと直に触れてきたゴムの感触がやけに冷たく思えて、アオイは一瞬身震いした。

「あ…ねぇ。レイタ。ゆっくり…挿れて、ね?」

首だけを動かして、後ろのレイタを伺い見れば、驚いたような顔でアオイを見下げていた。

「もう嫌がらないんだ?」

楽しげなその声に、ムッとアオイは唇を尖らせた。

「だって、レイタやめてくれないんでしょ。じゃぁもう、無駄に抵抗するよりも…」

「こういうとき、漫画なら何て言うの?」

「は?」

「『大人しく俺に抱かれてろ』とか?」

不覚にもその言葉にドキッと胸がときめきそうになって、慌ててアオイはBL脳を頭の中から振り払った。

「ばっ…か、じゃないのっ」

アオイの悪態にウハハッと笑って、レイタはフゥと息を吐いた。

「挿れるよ」

短いその言葉に、アオイは小さく頷いた。

潤滑液を塗りつけるように割れ目を何度かなぞっていたレイタのモノが、ゆっくりとナカへと侵入してきた。

「っぁ…ぁ、あっ」

自分のナカに明らかに異物が侵入してくるのがわかって、ゾワゾワと太ももに寒気が走る。

「アオイ、力抜いて」

「んっ抜い…て、るよっ」

力を抜けと言われても、そもそも力を入れているつもりもないのだ。無意識に力が入っているのだとしたら、どうやって抜けばいいのかわかるはずがない。

「力入りすぎだって…」

「わかんないってば」

漫画だとすんなりいくもんだけど、やっぱり現実はそんなに簡単じゃないな…と思ったそのとき、背中に走ったゾクゾクとした感触にドッと全身から力が抜けた。

「へっ…あっあああっ!」

背中にレイタの舌が這ったのだ、と理解した瞬間、後孔の入口で止まっていたレイタのモノが一気にナカに挿入ってきた。

「ああっひぃ、あぁっぁ…」

明らかな異物感に、全身が拒絶反応を示しているのかブルブルと身体が震えだした。痛いというより、熱い感覚が結合部からアオイのナカにグツグツと広がっていく。

「ぅあ…すっげ、めっちゃ締まるっ」

レイタが一度腰を引いて、グンっと打ちつけてきた。かろうじてマットレスについていた片手が、その衝撃でガクッと崩れ、支えのなくなった上体がマットレスめがけてボフッと沈んだ。

「あああっ!やっあぁぁ!!」

上体が落ちたせいで角度が変わり、レイタの雄がさらに奥にズンっと挿入りこんでくる。これ以上はダメだというところにまで貫いてくるソレはまるで、雌を求める雄の本能的な欲求のようだった。

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