白黒の秘密の話は序章として (Page 3)
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研修医には基本、休みはない。
俺たち二人は久しぶりの休みに浮かれ、少し遠くの街に宿を取った。
始終俺は照れくさくて、ほくそ笑む響也から、そっぽを向いた。
「はは、やっと俺のこと好きって言った、って思った」
「は?」
海へ行った。
久しぶりの連休だ。
釣り竿を垂らしていると、響也がまぶしそうに俺を見た。
「ああ、え?は?どうゆうこと?」
「あれ?綾瀬くん気づいてなかったの?」
響也がたらした釣り竿の端がゆらゆらと揺れている。
「何が?」
「俺は、ずっと綾瀬くんのこと気になっていたんだよ。同じ班にしてほしいって教授に言ったのも俺」
「え?」
「俺、腹黒いんだ」
響也が笑った。
――――俺のことが気になっていた…?
耳が熱くなるのを感じたが、夏のせいだと目をつむった。
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「え、響也そんなとこ」
「いいからいいから」
「よ、よくな…っん」
響也に触れられたところがくすぐったい。
触れられる温かい手が気持よくて、懐柔される心地よさに流れていく。
――――羞恥心でいっぱいだ。
靄(もや)がかかっている。
目の前で起きることに応えることが精一杯だ。
「んッ」
響也は俺を差し置いて、上唇を舐め、貪るように唇へ口付ける。
俺は、情けなくも震える手で温かい響也の手を強く握った。
響也の太ももに手を添え、歯をぬい、舌を絡め取る。
受け入れた反応に手応えを感じたのか、響也から強く舌を吸われる。
――――舌、ザラザラする…。
どちらのものかわからない唾液が、口端から溢れる。
まさか、自分がこんなことを響也にできるほど、惹かれていたなんて。
照れくさくて言葉にできない自分の想いが通じるよう、丹念に響也へ口づけた。
膨らみのない響也の胸へ手を伸ばした。
優しくビクッと跳ねた響也の体を逃さないよう、腕を強く引っ張ると、再び吸い付くようなキスを与えられた。
自分が起こした行動で、常に凛とした表情の響也が驚き、頬を赤らめたのを見て満足した。
響也の手が俺の膨らみに伸びる。
負けてはいられないと、少し膨らんだ響也の中心部に手をかけ、優しくさすった。
カランッと氷が溶ける音がする。
仲居さんが用意してくれた麦茶。
涼しい風が窓から吹き込んだ。
「ーッぅ」
響也の反応が可愛い。
彼にゆるく触れられると、自分の股の間がうずき硬くなっていくのを感じた。
響也も気づいたのか、白い指で響也に触れる。
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