可愛い獣と僕の夜 (Page 4)
*****
狭いベッドの上で互いに体を縮こまらせ、抱きあいながら眠る。
先に目を覚ましたキースは鼻を鳴らして眠るルルフの寝顔を見つめ、指先で優しく毛並みを整える。
ピクリと動く耳に笑みを深めると、さらに顔や背中を撫でて幸せそうに目を細める。
ルルフがどこから来て、何の目的で敷地内に入り込んでいたのかは知らない。理由を聞こうにもルルフはまだ言葉をようやく覚えてきたばかりだ。
おいでと呼べば駆け寄ってくる、犬とも人とも違う種族。
キースは身分も年齢も何も気にせず、どんな形でも構わないから、誰かに強く求められたいと思っていた。
そして大きな犬を飼うつもりで世話をするうちに、ほんの僅かな好奇心でルルフの本能を刺激した。
ルルフが持っていた淫魔としての魅力だったのか、ルルフに対する感情に性欲が芽生えたのかは自分でもわからない。
「……可愛い僕のルルフ、夜になったらまた…」
寝顔にキスをして立ち上がったキースは、今夜もまたルルフに食事を与えるために屋敷へ戻って体のケアをする。
Fin.
最近のコメント