許嫁は狼のオジサマ

・作

宮元楓(かえで)は、親同士で勝手に決めた許嫁の影狼(かげろう)と同じ屋根の下暮らすことになった。しかしその許嫁は人ではなく中年の男性狼。ノンケの楓はもちろん拒絶して別の部屋で眠ることにした。しかしその部屋に影狼が入ってくる。思わず狸寝入りをする楓だったが、影狼は楓の体に悪戯を始める。楓は影狼のエッチな悪戯に耐えられるのか…?!

「今日から、お前はここで暮らしてもらうことになる」

影狼が言った言葉は、俺にとって納得できないものだった。

「誰が好き好んでおっさんなんかと一緒に暮らすっていうんだ!」

「おっさんだと?」

「おっさんだろ!!しかもあんた、人狼じゃないか!」

「それは問題ないと言っただろ」

「とにかく、俺は絶対あんたなんかと同じ部屋で寝てやらないからな!!」

俺は隣の部屋に布団を引きずり込んで、勢いよく襖(ふすま)を閉めた。

そうは言ったもののも、いつもと違う部屋の匂い…気が立っていた俺はすぐ眠れるわけがなかった。

仕方なく布団に入って、ぼんやり天井の木目を数えながら、さっきまでの経緯を思い出していた。

*****

今日の夕方、学校から帰ると居間に人狼がいた。

親はこの人狼が俺の許嫁だと紹介したが、第一印象は最悪だった。

だって、人狼で中年で、目つきも悪い。

ストライクゾーンに1ミリも掠っていない。

その挙句、さっきみたいな高圧的な口調、俺の大嫌いな人種だ。

*****

俺は、思い出しながらまたムカついていた。

そのとき、襖の向こうで影狼の独特の歩き方で、畳が擦れる音が聞こえた。

慌てて目を閉じると、襖が開く音の後にその足音が楓のすぐ側まで近づいてきた。

「起きてるか?」

「」

「なんだ…眠っているのか…」

よっしゃ、バレてない!

このまま狸寝入りをしていれば、影狼も部屋に戻っていくはず、と俺はたかを括った。

しかし俺の耳に思いがけない言葉が聞こえた。

「それなら安心して…悪戯ができるってことだな」

「ッ?!」

その直後、俺の唇に柔らかいものが触れる。

今のって…キス?!

混乱する俺をよそに、影狼の舌が口内に侵入してくる。

生々しい音で口の中を掻き回され、俺は寝たフリをするために抵抗せずに耐えた。

影狼の唾液が喉に伝ってきて、無意識に飲み込むと、影狼はやっと俺の唇を解放した。

すると次は頬、耳、首にキスが降ってくる。

そして唇だけのキスがだんだん舌を使っての愛撫に変わっていった。

耳の中に水っぽい感触と舌が這う音が聞こえて肩がぶるっと震える。

首を舐める感触がして、俺は必死に歯を食いしばった。

その間にも俺のパジャマの前ボタンに手がかけられる。

俺は目をきつく閉じながら、太い指がちまちまとボタンを外すのを想像して、少し噴き出しそうになる。

しかし、ボタンが1つ…また1つと外されていくのと同時に、唇と舌の感触がして背中の辺りがざわざわとあわ立ってくる。

「ッ…」

俺は思わず声が出そうになって息が漏れた。

しかし、その行動は影狼の悪戯心を煽ってしまったらしい。

影狼の指がシャツの上から乳首を軽く挟んだ。

「んッ…」
いきなりの快感に声が漏れる。

それでも目を開けずにいると、影狼は布越しに乳首にしゃぶりついた。

「ひゃあ?!」

慌てて口を抑えようとした俺だったが、影狼に肘を押さえ込まれてしまって全く動けなかった。

「ククク…」

息が荒れてきた俺を見て、影狼は楽しそうに笑い声を漏らした。

影狼が口でシャツの裾を捲ると、俺の乳首が晒された。

俺の乳首を、影狼は舌でねっとりと舐めて、そのまま吸い付いた。

俺はその快感から逃げようと身をよじった。

「ぅ…んッ…んんッ!」

それでも肘が押さえつけられたままで、まともに動けない。

「ほら、もう起きてるんだろ?」

俺は必死に首を横に振った。

「そうか」

すると影狼は俺の手首を片手で掴んで、頭上で押さえつけた。

そしてもう片手で俺の下着ごとズボンを引き下ろした。

じっくり与えられた快感で、俺のペニスはすっかり立ち上がってしまっていた。

影狼は俺のペニスの裏を優しく撫でる。

「ふッ…ぅぅッ…ふッ…」

俺は、唇を噛んで荒い息を吐いた。

「ククッ、そうだ…頑張れ頑張れ」

影狼の指がペニスの先をグリグリと捏ねる。

俺はついに耐えられなくなって目を開けた。

「ぉ、起きた!起きたからッ…や、やめろッ!!」

「なんだ…やっと音を上げたのか」

「そうだよ!だからもういいだろ!早くその手、放せッ!!」

「嫌だね」

「は?何で?!」

「もう少し早く、起きてくれれば止めてやれたのになぁ」

影狼は俺の手を引き寄せて、無理やり自らのペニスに触れさせた。

それは人のものとは比べ物にならないほど大きくて、俺は体中の毛が逆立った。

「ヒッ!!」

「残念、時間切れだ」

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