遊びのつもりが初恋になった話 (Page 5)

1人で盛り上がった感は否めない。何も言わずに着替え始めた透吾を見ていると罪悪感を覚える。
ついさっきまでは気持ちがよかったのに、今は気まずい。

「…もっと透吾を気持ちよくさせたいんだけど、どうすればいい?」

男の方が好きだとか、女より相性がいいとは思わなかった。
男女の違いが些細(ささい)なことに思えるくらい夢中になったから、これで終わりにしたくない。

乱れた髪を直しもせずにネクタイを締めたあと、眼鏡をかけた透吾はいつも通り、少し澄ました顔をしている。
ベッドから降りるよう促されると、ズボンをはきながらシーツを抜き取る様子を見守る。
自分で汚したシーツを取り替えるというのに、透吾は全く動じないしやはり面白みがない。

予備のシーツを敷き直して汚れたシーツを畳み、部屋を出ようと歩く姿はどこかぎこちなかった。
多分痛むんだろう、いつもより歩幅が狭くてちょこちょこ歩いているみたいだった。

「悟様。確かに私はお世話係ですが、下半身のお世話は業務外です」
「……わかった」
「はい、それでは私は」
「俺に惚れさせればいいんだろ?」
「……はい?」
「とりあえず休んでいけ。俺の魅力をプレゼンする」

シーツを奪い取ってソファに投げ捨て、下半身に響かないよう手を引いてベッドへ誘導する。
戸惑う透吾の頬に口付けて普段は使わない筋肉を使ったであろう内股をマッサージしながら、悟と付き合った場合の特典を並べていく。
まだ恋愛感情かどうかはわからないが、こうして人に興味を持ったのは初めてだった。

まだ情事の残り香がする。触れながら語るうちに勃起した。またやられると思ったのか、逃げようとする透吾の手を掴んで無理矢理はしないと宣言する。
我慢なんて無縁に近い生活をしていたからイライラもするし、当然ムラムラもする。

「お前以外とはしない、お前が嫌ならお前ともしない、だからたまにでいいからおかずはくれないか」

悟なりの誠意を見せたつもりだったが、透吾は困ったように笑って悟の股間に指を這わせる。

「わかりました、……貴方が飽きるまではお付き合いしましょう。私が貴方に惚れるまで、キスはしないでくださいね」

好意と忍耐、それから気遣い。退屈な人生の中で、透吾に惚れてもらうまでに身につけるべきことができた。

Fin.

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