熱を出した俺の恋人が可愛すぎる (Page 2)
「ごめんね…洸希とお祭り行くってなったら楽しみで、なかなか眠れなくて…」
遠足前にはしゃぐ子供かよ!かわいいな、ほんとに。
思わず緩みそうになる口元を必死に抑えた。
「熱は?何度あるの?」
「うち、体温計なくって…」
「そっか」
伶のおデコに俺の手をのせた。結構熱いな…。
さっき買ってきた冷却ジェルシートでも貼っておくか。
「はるよー」
「んっ…冷た…」
「ごめんごめん、びっくりした?」
「うん…でも気持ちいい」
「よかった」
…というか喘ぐなよ伶。
危うく飛びかかりそうになったわ。
布団をかけ直し、ポンポンっとして考える。
体温はかって、もし高いようなら病院連れていかなきゃだよな〜。
体温計取りに一旦帰るか。
「伶、おれ一旦帰るから」
「え…?」
「体温計取りに行くだけだよ。もし38度超えてたら病院行かないとだし…」
「や、やだ!病院行きたくない!」
伶は、俺の服の裾を掴んでうるうるした顔で見上げると、「お願い…」と小さく言った。
だーかーらぁー!なんでこんなにかわいいんだよ!襲うぞ本当に!
「何で嫌なの?」
「注射…やぁだ…」
…注射か。なるほど、ほんとに小さい子供みたいだな。
でもとりあえず、薬だけは飲ませたいからゼリーだけでも食べさせるか。
「じゃあ、ゼリーだけは食べよっか」
「食べさせて…?」
「はいはい」
伶は、俺が買ってきたゼリーをペロリとたいらげると、悲しそうな顔で訪ねてきた。
「洸希…お祭り、俺以外の誰かと行かなくてよかったの…?」
なんだ、そんなことか。
「俺は伶と行きたかったから、それに熱を出してる恋人を放っておけるわけないだろ?」
「ふふふ、ありがとう」
伶は嬉しそうに笑うと、俺に抱きついてきた。
「うぉっ」
「洸希、喉乾いた」
あーそうだ、ゼリー食べさせたはいいけど飲み物飲ませてなかった。
「スポーツドリンクあるよ。自分で飲める?」
「…」
「…ん?どうかした?」
「…うつし」
「え?」
「口移しがいい…!!」
口移しって……。
えぇーーーーーー!?
「ど、どうしたんだよ急に」
「え、えっと… 洸希…と、キス…したい、から…」
「…」
「ご、ごめ!引いたよね、やっぱ自分での…」
チュッ
「んっ…?!」
「お前、かわいすぎんだよ。もうどうなっても知らないからな」
「ええっ、!ちょっ!」
ちゅっちゅ…。
「んんっ…!くる…しい…こうき…」
俺は、伶が風邪をひいていることなど忘れ、無我夢中で求める。
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