君と×××がしたくて (Page 4)
精液すら他の人に渡したくない。
知らない女の人の中に出してなんかほしくない。
「蓮、どうしたの? んっ、セックス怖いって言ってたじゃん…らしくない…」
「夏樹はいいの…夏樹とセックスしたい…それくらい好き…」
「ホントに? 俺もだよ? …あっ…!」
頬に生暖かい感覚が広がる。
それと同時にほんの少しだけど、心が満たされた気がした。
「…なんで女の人とセックスしてたの?」
自分でもわからないけど不意にそんな言葉が口に出た。
「…見てたの?」
「質問に答えてよ。僕は遊びなの? 夏樹の家政婦さん?」
「ちょ、ちょっと待ってよ」
「待つもクソもないよ。セックスできないから? 柔らかい大きな胸もないしね」
精液と僕の涙が混ざったものが首筋を伝っていく。
「…信じる信じないは蓮に任せる。俺の話、聞いて?」
ティッシュで僕の首筋を優しく拭きながら言う。
「俺は蓮のことが大好きだよ? …だからあれは無理やりだったんだよ…! 俺、ゲイなの隠してるから…! 童貞だとか、真の男にしてやるとか、からかわれて…!」
ふと顔を見上げるとボロボロ涙を流していて、とても嘘を付いているようには見えなかった。
「無理やりされてるときもずっと蓮のこと考えてた。ごめんなさい、って」
数秒間の沈黙の後、
「こんな話、いくらでも作れるしな。…ごめん。でも女とセックスしたのは変わらない事実だから…あとは蓮の好きにして」
手を強く握り、僕はこう言った。
「夏樹はカッコいいし、誰にでも優しいからね。…僕の自慢の彼氏だよ?」
Fin.
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