ワガママご主人様
ワガママな恋人、弥生(やよい)と彼に翻弄されるのを楽しむ五月雨京(サミダレケイ)。今日もまた、「VIP御用達の性奴隷として調教師にエロいことされたい!」という弥生のワガママを叶えるため、細かい内容まで設定してプレイを始めるのだが…。
「力を抜いて――いい子ですね」
「っ、は…!」
異物感が強いのだろう。それでも緊張と不安で硬くなったアナルは、ゆっくりと俺の指を飲み込んでいった。
初日にしては上出来だ。
両手で隠してなお指の隙間から見える羞恥にゆがんだ表情も、浮く腰骨も。
「五月雨さん…」
「ここでは”ご主人様”と呼びなさい」
返事を待たずに指をゆっくりと引き出す。
強くなった異物感に、息をのむ音が響いた。
「怖がる必要はありませんよ。ほら息を吐いて。止めてはなりません」
「はぁ、っ…」
乱れる呼吸を整えさせ、落ち着いたころにまたゆっくりと指を挿入する。
時折前立腺を指先で引っ搔いてみるが、まだ反応は浅い。
「ご、主人さま…っこわい…」
「大丈夫ですよ。あなたが慣れるまでゆっくり待ちます」
縋(すが)りついてくる弥生をやんわりと引きはがして無表情に、でも声色は優しく返した。
「僕は、3番目のペットです。だから”弥生”と」
ふと先ほどののやり取りを思い出す。
凍ったような表情と声色が弥生の第一印象だった。
それも当然だろう。彼は今から望まぬ快感を身に刻まれるのだから。
この仕事を始めて何度も思う。どんな人生を送ってきたら政治家の性奴隷に身を落とすのだろうか。
「んぁ…!」
弥生の嬌声で我に返る。彼は細く長い肢体をピンと伸ばし震えていた。
どうやら”キモチイイ”場所に指が当たったようだ。
「…失礼しました」
「ぁっ、ぁっ…なに!知らない…!」
謝りつつもその場所を執拗(しつよう)に指でいじる。弥生は指の動きに翻弄されながら、腰をくねらした。
はぁと熱い吐息を漏らし、顔をそむけるその姿に思わず生唾を飲み込んだ。
淡雪のような白い肌に興奮ゆえの紅(べに)が宿り、うるんだ黒い瞳が京を映す。
強い快感とこれからどうなるかわからない恐怖に震えているさまはまるで子ウサギのようで、嗜虐心(しぎゃくしん)に火が付いた。
(私も興奮することがあるんですね)
少し苦しくなった下腹部に小さくため息を吐いて、はてどうしようかと悩む。
だからと言って預かりものを好きにするわけにはいかない。
「いいですか弥生さん。あなたは今後ペニスでの絶頂は望まれません」
「ひぃう!」
弥生のペニスを人差し指でピンと弾けば、彼の体はひどく飛び上がった。
情けない嬌声を上げたことが恥ずかしかったのだろうか。彼はますます顔を赤らめて歯を食いしばった。
「ご主人様のペニスを咥(くわ)え腰を振り、アナルで絶頂することが弥生さんの仕事であり喜びです。いいですね?」
「ふ、っんん!ひ、っ…」
「弥生さん。答えは”はいご主人様”」
「ぃぎッ…は、いご主人様…ッ」
アナルをかき回す指に翻弄され、言われたことには従順。
見た目とのギャップが強いマゾヒストに、私の口角は緩んでいた。タイプだ。
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