フラれて掘られて (Page 5)

「んむ……っあ…あっばか、もっ…ー…ンンッ」

少しずつ振り幅を広げられて、往復する陰茎に喘ぎが引き出される。
奥を突かれるとイきそうになるのにイけなくて、でもそれが気持ちいいと思い始めていた。
ずっとこのままでもいいかも、そう思っていたのに突然つばさの指が俺の陰茎に絡みつく。
陰茎と後穴をほんの数回刺激されただけでイくなんて、ダサすぎる。

「つば、…あっ…あァッ…よすぎ、てっ…んぁっ」
「っ…信也、本当に可愛い…やっぱりこっちの才能あるよ、君」

嬉しそうに笑ったあと、つばさは俺の腰を両手で掴んで一際深くまで陰茎を押しこんだ。
痛みを感じるのと同じか、あとか、体中が痺れるような錯覚を起こす。
視界が一瞬白んで、たった数秒とはいえ息ができなくなった。

それでもつばさは律動を止めない、それどころか激しさを増していく。
腹の奥を突きあげられるたびに喘ぎは悲鳴じみたものに変わり、勝手に腰が跳ねあがる。
室内に響く肌のぶつかりあう音が遠くに感じるような、強すぎる快楽の中で俺は何度もつばさの名前を呼んだ。

腹の中で陰茎がドクリと強く脈を打ち、限界を察するとほぼ同時に腹の奥へ白濁を注ぎこまれる。
自分の体温とは違う、他人の熱。腹の奥でじわりと広がって、俺は終わりを感じた。

*****

夜が明けて完全に酒も抜けた昼前、今まで感じたことのない鈍痛に襲われつつベッドを見る。
つばさの姿が見えないことにホッとする反面、少しの不安を感じた。

(遊ばれただけ、か?でもここはあいつの自室だよな…)

つばさが言っていた通り、俺はタチよりネコの方があっているのかもしれない。
そうだとしたら遅かれ早かれ春人とは別れていたのかも、なんてまた春人のことを考える。

「春人くんは振られたらしいよ、ヨリを戻しにいく?」
「えっあ、つ、つばさ…なんで知ってるんだ?」
「……内緒。それでどうするの、信也は。俺は今すぐここに君の荷物を運んでもらって、同棲からスタートしてもいいけど」

正直、つばさはかなり怪しいところがある。いきなり全部は信じられないけれど、俺のためにコーヒーをいれてくれる程度には優しいのも本当だ。
行く先も決まってない、聞きたいこともたくさんある。
俺は胡散(うさん)臭いつばさの手を取って、とりあえず恋人(仮)からスタートすることに決めた。

Fin.

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