既婚者の後輩の顔が好きすぎる俺 (Page 3)

「……先輩、こっち見て」

射精のない絶頂を迎えて、俺は頭がボーッとしたまま沢田の方を見た。

ずっと、学生時代から一番好きな顔が、嬉しそうに俺を見ている。

「あんたのナカイキした後の顔、めっちゃ可愛い」

言うともう力が入らない俺の身体を、ひょいとベッドに仰向けに転がす。

それから膝裏を持ち上げられて、大きく脚を開かされた。

「しかも、こっちもとろっとろになるんだよね？」

ぺろりと舌なめずりをして言う沢田が、硬いモノを穴のところにあてたのが分かった。

あれ、こいつコンドーム着けたっけ。

着けてない、気がする。

「っさわだ、ちょ…っ――！」

俺がそれを言おうとすると、先端のところがみちみちと入口を押し開いてきた。

熱くて、ぬるついて、硬くて。

一番太いところを埋め込まれて、俺はもう圧迫感でたまらなくなる。

「さわ、……ッな、ナマ…ッ」

「うん、ナマで入れちゃった。だって気持ちいいんだもん」

言うと、俺を見下ろしてにやりと笑う。

その顔に俺が弱いっていうのを、十分にわかってこいつはそうしているんだ。

それがわかるので、腹が立つ。

「それに…」

「ンッ、ぅ、やぁっ！」

沢田が腰に力を入れて、俺のナカに入れたモノをさらに奥へと埋め込んできた。

大きくて太い沢田自身で、内側を思い切り擦られる。

すでに一回達して敏感になっているナカが、大きくうねるのが分かった。

「ナマの方が、先輩も気持ちよさそうだし」

沢田が言いながら、リズミカルに腰を動かし始めた。

口元は楽しそうに緩んで、だけど額からは汗がぽたぽた零れてる。

「ぅう、は、アッ、アン、ァ…ッ！」

熱い塊が一番奥をえぐって、圧迫感と同時に甘くて強い痺れが背筋を駆け抜ける。

かと思えば引き抜かれる動きで、浅いところのしこりを強く押された。

ぐっちゃぐっちゃとローションとか粘液とかが立てる音が耳からうるさいくらいに入ってきて、見上げる男がきゅっと眉をしかめる。

こいつは、既婚者で。

だけどこいつの顔が好きな俺は、こいつが「会いたい」って言うのを断れなくて。

「うぅ、はっ…！さわ、だぁ……ッい、い！」

「ンな、締め付けないで…せんぱ、い」

こうして俺のナカで脈打つ沢田自身も俺を見下ろしてくる目も、俺にとって離れがたくて。

快楽を訴えて、広い背中にしがみつくみたいに爪を立てる。

沢田が律動しながら、汗で額に張り付いた髪をかき上げた。

左手に光る銀色を、俺は熱くて溶けそうになりながら目を細めて見上げる。

「さわ、アッ……！イ、イ…ッ！もっと、も…っとし、てぇ！」

言いながら、その手を取って自分の唇に寄せた。

揺さぶられながら、沢田の左手の薬指を舐める。

見下してくる視線が少しだけ苦しそうに歪む。

だけどそれを無視して俺は一心不乱に沢田の指を舐める。

「は、せんぱ…っ」

他人に愛を誓ったくせに、俺とセックスしたいとか言うこいつ。

そんなこいつは最低で、だけどそれを嬉しく思う俺も最低で。

顔が好み。

だけど、沢田とのセックスがこんなにも気持ちいいのはたぶんそれだけじゃない。

それをわかっていながら俺は無視するみたいに指を舐め続ける。

すると俺の上で腰を動かす男の息遣いはますます荒くなっていって。

それにたまらなく興奮してしまう俺は、やっぱり最低かもしれなかった。

Fin.