長いおあずけ (Page 4)

「ん、ふ…う…っ」
今朝のものとは程遠い、口内を舐め回す口づけに思わず聡太は赤面する。

「…は、あ、酒くさっ!」
唇が離れて、息も絶え絶えになりながら聡太が叫んだ。
「今日、絶対抱くって言った」
夢中で聡太の口内を貪っていた秋斗がようやく口を開く。獲物に狙いを定めるような視線が聡太を射抜くと、その身体が一瞬こわばる。秋斗の左手が聡太のシャツの裾から入り込み、腹を撫でた。酒のせいもあってか、秋斗の掌も吐息も、燃えるように熱い。
「そ、うだけど…」
「2年も待たせておいて今日もおあずけなんて、そんなヒデーことしないよな?」
首筋をべろりと舐められ、聡太の身体がびくりと跳ねる。その様子に秋斗は気をよくし、続けてシャツを捲り上げて、鎖骨、胸、腹へと舌を這わせ、聡太の反応を楽しんだ。聡太は、まるで生まれて初めてのセックスであるかのように初心(うぶ)なリアクションを繰り返していることに一層赤面し、両腕で顔を覆っている。

「あッ、あう…あき、あきと…っ」
自分の名前を呼ぶ声に秋斗はますます興奮したようで、聡太のズボンを下着ごとずり下ろし、ゆるく反応し始めたペニスに手を伸ばした。
「秋斗っ!やだ!…今日は、あ、まじで…」
「だあめ。俺がどんだけ我慢してきたと思ってんの?今だって帰り道で、聡太のことめちゃくちゃにすることしか考えてなかったのに」
そう言うと、秋斗は硬く勃起したペニスを服越しに聡太の足に擦りつける。同時に軽くしごかれて、自然と腰が浮いてしまう。年下の恋人を見上げたが、ねだるような視線になってしまったかもしれない。
「あん…、や、あッ」
「めっちゃ興奮する…。聡太かわい…エッチのときこんな声出ちゃうんだ」
四捨五入したら30の男に可愛いだなんて。恥ずかしさのあまり再び秋斗から目を逸らしながらも、聡太は己の意思に反して唇から漏れる声を止められないでいた。

「ああ…、んう、先っぽ…やだって…」
「やだじゃねーだろ…感じてんじゃん」
秋斗が指先でペニスの先端を円を描くように撫でると、聡太の腰はビクビクと跳ねた。意地悪な言葉を投げかけながら、秋斗は恋人の胸の尖りに目をつけたようだ。触れてもいないのに硬く反応するそれに、秋斗が熱い息を吹きかけ、ちろりと先端を舐めた。聡太の喉から勝手に嬌声が上がる。
「あっは、エロすぎ…。乳首感じるんだ、せんせ?」
「せんせいって…ゆーなっ」
「なんで?悪いことしてる気分になっちゃう?」
わかってるならやめてくれと、聡太は咎(とが)めるような目を秋斗に向けた。
「大丈夫だって…俺ハタチんなったし」
言いながら秋斗は舌でちろちろと乳首を舐めたり、ジュッと吸ったりして、もう成人同士だというのに背徳感に苛まれながら喘ぐ恋人を愛しそうに見つめた。

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