陰キャの元クラスメイトがドS男子に豹変！？

「今日の動画はここまで！　チャンネル登録と高評価、お願いしまーす！」

オレの名前は水戸太陽。ゲーム実況動画を投稿して生計を立てている。

昔からゲーム好きだったオレは中学生の頃からゲーム実況動画の投稿を開始。

毎日コツコツ投稿していたら、少しずつファンが増えて……今では大人気ゲーム実況者！

「ふぅ、ゲームも長時間やると疲れるな～。お腹空いたし、コンビニでも行くか」

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順風満帆な人生を送ってるけど、実は悩みがある。

……と言っても活動に関する悩みじゃない。

「……またいるな……」

ここ最近、夜に外出すると人の視線を感じるのだ。

後ろを振り向いてもそれらしい人物は見つからない。

一度警察へ相談に行ったが「男がストーカー被害に遭うわけないだろ～」と鼻で笑われてしまった……。

恐らく、きちんと捜査もされていないだろう。

幸い、奴が直接オレに何かをしてくることもなかったので、ひとまずは放っておいてるが……。

(いつまでこんな生活続けなきゃいけないんだよ！　……決めた、今日こそ犯人を突き止めてやる！)

オレはくるっと踵（きびす）を返し犯人目がけて走り出した。

相手はオレより少し背の高い男で、オレが近づいてくるのがわかると逃げだそうと走り出した。

(あいつ、逃げようとしてんのか！？　高校時代『陸上部のエース』と呼ばれたオレから逃げられると思うなよ！)

オレは強く地面を蹴り一気に男との距離を詰めた。

精一杯腕を伸ばし男の洋服をガシッと掴む。

お互い足元のバランスを崩し、オレはアスファルトに押し倒されてしまったが今はそんなこと関係ない。

男の顔は月明かりと電灯で逆光になってる上フードを被っていたのでよく見えなかった。

「お前、ここ最近オレのストーカーしてるよな？　誰なんだ？　ファンなのか？」

「あ、謝るから！　とりあえず離して……」

「離したらぜってー逃げるだろ！」

オレは男の洋服を掴む力をさらに強めた。

男は観念した様子でフードを脱ぐ。

フードから出てきた顔にオレは見覚えがあった。

「ひ、久しぶり太陽くん。覚えてる？　高校時代のクラスメイトの……月野豊だよ」