僕は兄ちゃんの花嫁~血の繋がりなんて関係ない!~ (Page 7)

別れ際に母さんが“あなたたちを兄弟として産んでしまってごめんなさいね”なんて思いもよらない言葉を口にしたから、『それだけは違う。父さんと母さんの子供でよかった…僕も兄ちゃんも幸せになれたんだから』と伝えてはきたけれど。

今暮らしている村は、僕たちが同性同士のカップルだろうと特別視したりはしない。多様性の文化が普通で、過干渉もされずに居心地がよかった。電気もガスもまともに使えない状況ではあったが、孤児のマリアを引き取った僕たちは、親子としての暮らしを歩み始めていた。彼女は、両親となる2人が男同士でさぞ驚くだろうと思っていたのに、そんなこともなく――僕のことは“アオイ”、兄ちゃんのことだけ“パパ”と呼ぶ。そして、なぜだか僕にライバル心を燃やすくらい…兄ちゃんに恋心を抱いているようだった。

「パパはね…遅くなるけど、マリアが明日起きるころには戻っているよ。僕、マリアに似合う髪留めを買ってきてって、パパに頼んでおいたからね」

拙(つたな)い現地の言葉で彼女にそう伝えると、マリアはハニカミながら『じゃあ、早くパパに会えるように眠らなきゃ!』と広げたままのブランケットに潜り込んだ。

市街地の役場まで出稼ぎに行っている兄ちゃんが帰ってきたのは、深夜を過ぎた頃だった。

「――んっ!ちょ、ちょっと兄ちゃん…マリアがいるときはダメだって!!」

兄ちゃんは帰ってくるなり僕を土壁に押し付け、舌同士を絡め合うねっとりとしたキスでこちらを翻弄してきた。あの子を引き取ってから、僕たちは『Hはマリアが出掛けているときだけ』と約束をしていた。けれども最近はマリアの友達の家でのお泊り会もなかったし、幼稚園も早く終わる日が多く、タイミングが掴めずに――2ヶ月はお預け状態だったのだ。僕は自慰の習慣がないから、別に何ともないのだが…彼は限界を迎えていたみたい。

「もう、しょうがないなぁ。マリアを起こしちゃ悪いから…絶対に挿れないって約束して?その代わり、僕が責任をもって兄ちゃんのデカち●こ、“はむはむ”して抜いてあげる」
「――蒼、お前…言うようになりやがって…」

兄ちゃんったら、最近僕にタジタジだ。マリアの隣で同じようにブランケットを被り、声を押し殺しながらお互いの亀頭をぴたりとくっつけて扱く。相手の昂りが最大限に達したら、今度はフェラで抜いてやるのだ。これであれば時間も掛からず、欲を満たすことができるから…それでも兄ちゃんは物足りない様子で、白濁液を口に含んだ僕に『次、いつできそうなんだ?』と催促してくるのだから…“困ったパパ”だな、なんて思ってしまう。

「そうだね…マリア、次の週末に2泊3日で友達のお家にお泊りなんだって。でも――兄ちゃん、仕事でしょ?」
「それ本当かよ!?んじゃ、明日休みの申請してくるわ…なぁ、蒼。その日だけ特別に…ゴム無しでもいい?」
「1回目だけならね。2回目以降は着けなきゃだーめ!兄ちゃんの精子の量、とんでもないんだからさ」
「えー…お前のナカから溢れてくるのが見たいのに…」

こんな会話をしている血の繋がった兄弟は、世界中探したって僕たちぐらいだろうな。

Fin.

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