甘ったれ王子は花婿を選べない! (Page 3)

「あぁ、あぅんっ!!キスしてって言っただけなのに、ダージリンのばかぁ…。おちんちん、熱くなってきちゃったよぉ…ねぇ、もっと触って?今日もいっぱい“えっち”しようよぉ…」

これがダージリンの策略だとわかっていながらも、僕は気づかないフリをして、彼をまた自室へと誘う。いつまで経っても彼は意気地なしのままで、本番行為を躊躇(ためら)う節があるんだ。

「――グレイは悪い子ですね。朝食後は王室学の時間だというのに…そんな潤んだ瞳で私を見つめないでください。止まらなくなってしまいそうだ…」

この言葉に期待からか、ヌラリと僕のペニスから一筋の粘液――我慢汁が零れ落ちる。僕は恥ずかしくなって、それが垂れた床を足裏で拭き取ろうとしたのだけれど、ダージリンが『おやおや』とお姫様抱っこの要領で僕を抱えると、片手を伸ばして床上の粘液を指先につけ、『勿体ない』と舐め取ってしまったんだ。

*****

「んん、ダージリン…おっぱい気持ちイイよぅ…!」
「グレイ、可愛い…可愛い…私のグレイ!」

そして今行われている、朝食を使った遊戯から30分前。
僕はダージリンの膝上に抱えられるように挿入してもらい、乳首を甘噛みされながら腰を上下に動かし、彼の下腹部に亀頭を擦りつけていたんだけど――このとき、バタバタと部屋に駆け込んできた人物がいた。もう1人の恋人であるルフナだ。

「あーっ!!目を離すとすぐこれだ!!グレイ、お前なぁ…俺が命掛けで遠征に出てんのは、誰のためだと思ってんだよ…この浮気者!!ダージリンもいつまでち●こ入れてんだ!テメェの精液で床がびちゃびちゃじゃねぇか!」
「…んぁ…るふ…なぁ?」

ダージリンからの精液を直腸内に招き入れていた僕は、頭がぽわぽわしていて、ルフナが何で怒っているのか理解できず、トロンとした表情のまま、聞き返してしまう。

「だからお前が本当に俺のこと、好きなのか聞いてんだよっ!!どうせ毎日毎日ダージリンとヤッてんだろ!」

ルフナはそう言って僕に詰め寄り、ダージリンに抱きかかえられていた身体を無理矢理引き離そうとする。ジュプンッとペニスが抜かれ、内臓の圧迫感から解放されても僕は与えられていた快感から逃れられず、ルフナに言葉を返せないでいた。彼の話はもっともで、僕は2人を愛しているのに、身を委(ゆだ)ねる回数は圧倒的にダージリンの方が多かった。ルフナは騎士団のトップ…戦が始まれば、城の手前で食い止めるべく外に出ていってしまうし、今回のように友好国の援護のため、遠征に出掛けることもあるのだ。

死と隣り合わせであるルフナのセックスは、強引かつ欲情的で――激しい。いつでも優しく僕をエスコートするダージリンとは正反対で、あまりの過激さに行為後、僕が熱を出して寝込んでしまうなんてしょっちゅうだった。

(ルフナ怒ってる…。僕がダージリンとばかり“えっち”するからだよね?ごめんね、ルフナ…でも僕、ルフナも愛しているんだよ?僕を嫌いにならないで…ルフナから強引に抱かれるのも好きなんだよ…)

「それは聞き捨てなりませんねぇ、ルフナ」

僕がようやくことの重大さを認識し、唇を噛み締めたのを見て最初に言葉を発したのはダージリンだった。

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