うなじに赤い花 (Page 4)
「ぁ…ねぇ。その、俺…初めてで…」
先程言いよどんだ言葉を、遠慮がちに口にすれば、レイタは何だそんなこと、とでも言うように、片眉を下げて笑った。
「俺もだよ、男相手とかしたことない」
「そう…じゃなくてっ」
タン、とアオイはマットレスを軽くたたくと、首を横に振る。羞恥心で耳まで真っ赤になっているのが、自分でもよくわかった。
「男相手とかそういうことじゃなくて、そもそも、セックス自体が…初めてなんだって…」
ピタ、とレイタの手が止まった。
「初めて?え?童貞?」
「…ハッキリ言わないでよ」
すねた口振りで呟いて、アオイはレイタに背を向ける形でゴロンと身体を横に向けた。
腐男子で童貞…2大トップシークレットともいえる秘密を両方知られてしまうなんて、どうして想像できただろう。
「ね、だから、俺とセックスなんて考えないほうが…」
またしても話している途中で言葉が止まる。今回は物理ではなく心理的に止まらざるを得なかったのだ。レイタに背中を向けていた身体は、そのまま、レイタに背後から抱きしめられる形になったのだから。
「何…して…」
「可愛いーなって思っちゃった」
すぐ耳元で声がして、耳にかかる吐息がこそばゆい。
「優しくするから」
「レイタッ…」
後ろを取られたことで、仰向けに組み伏せられていたときよりも身動きが取りづらくなっていた。それを知ってか知らずか、レイタはアオイの閉じた足の間に太ももを割りいれて、緩く勃ちあがってきているアオイのモノをさっきよりも大胆に弄りだした。
二十歳そこらの健康な男なら、仕方ないことだけど、執ように弄られたアオイの自身は完全に上を向いて、扱かれるたびに先端からは、待ちきれない欲がグチグチといやらしい水音をたてていた。
「ぁ…はぁっ」
もうこのまま、達してしまいたい、と思ったその時、グリグリと下着越しに硬いモノがお尻の割れ目を撫でてきて、ビクッとアオイは身体を強ばらせる。
「アオイ…なぁ、いい?後ろ、触っても?」
言いながら、割れ目に沿わせた硬いモノをレイタはワザとらしく上下に這わせている。
「ん…で、でも、俺、男だしっ。その…経験ないからアレだけど、女の人みたいに濡れたりしないし…」
モゴモゴと言い訳を探しているアオイの唇を、レイタの指がスルリと撫でた。クス…と耳元で聞こえた笑みは、アオイに逃げ道などないと教えているようだった。
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