うなじに赤い花 (Page 7)
捕食されてしまう…という、えも知れぬ恐怖心と、すべて喰い尽くされたい…という、献身的な欲求がグルグルとアオイの中を駆け巡る。
「あっあっひぁ、ぁっ」
試すようだった律動が、徐々に規則的になってきて、打ち付けられるたびに我慢できない声が口からこぼれていた。
「は…ちょ、声、抑えろってっ」
レイタは言って、アオイの口の中に指を突っ込むと、グリグリとそのまま口内も犯してきた。
「ふひゃ、ふぁ…んんっぁ、ら、らめ、レイタっひっ、イッちゃぅ」
レイタの指を咥えながら放たれる声は、喘ぎが混じって艶っぽく、自分でも恥ずかしくなるぐらいに、いやらしかった。
「やっべ…マジで、エロすぎ…」
ふは…と笑って、レイタは律動のペースを上げる。マットレスに押しつけた顔をブンブンと振りながら、アオイはさらに激しく淫らな声を上げた。
*****
そろそろイキそうだ、と思ったそのとき、レイタの脳裏にさっき読んでいた漫画の絵が浮かんだ。フイ、と見下ろした先には、レイタの自身を後孔に咥えこんでいるアオイの、汗ばんだ首筋が揺れている。ゴクン、とレイタの喉が鳴った。
「っオメガバース、だっけ…あれって、うなじを 噛んだら番になるんだっけ?」
「んっんんっあ、ひぁ、ひゃ、え、なぁにっああっ――!」
レイタは誘われるようにアオイのうなじに口を寄せると、1度チュッと口付けてから、おもむろにソコにカプ…と、噛み付いた。
「あ…っぁあ――」
ビクッと身体を揺らして、アオイが果てた。レイタは噛み付いたうなじにガリッと強く歯を立てて、アオイのナカを攻める自身を最奥まで貫いた。
*****
「あーもう…グチョグチョじゃん、シーツ」
情事後を物語る惨状は、想像以上に酷くて、アオイはため息をこぼしながら、シーツを外している。そんな彼を見ながら、レイタは誤魔化すようにあさっての方向を見た。
「もう!俺今日、レイタのベッドで寝るから!ほんと最悪だ…」
グチグチとボヤくアオイに笑って、レイタは彼のうなじにチラリと視線をやった。色白のアオイのうなじにクッキリとついた歯型は、まるで花びらのように赤く色づいていた。
「じゃぁ、一緒に寝よ、アオイ。また襲っちゃうかもだけど」
そう爽やかに言い放つレイタに、アオイは引きつった笑いを返すのだった。
Fin.
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