配達員は淫乱双子に惑わされて (Page 3)
本物の香賀さんは僕のことを名前なんかで呼ばない。だからこれは僕の願望だ。ふと我に返った僕は、彼とのセックス願望を振り払うべく、頭をブンブンと振った。
(――ダメダメ、業者さん相手にこんな妄想をするなんて!香賀さんは仕事として手伝ってくれているんだよ?)
ノンケとの恋愛は厳しい。結局香賀さんは僕がオドオドしている間に大型家具の組立をすべて終え、爽やかな笑顔だけを残して部屋から立ち去っていた。
香賀さんに心奪われてから数時間後、何も知らずにバイト先から帰宅した兄にコンドームの箱をチラつかされ…誘われるがまま仰向けとなれば、“待ってました”とばかり、逞(たくま)しいイチモツが僕を貫いた。こちらが身体を傷めないようにとクッションを並べたソファの上で兄の子種を求め、僕自ら彼の陰のうがアナルに当たる深さまで腰を沈めていく。
「んぅ!…あんっ!!」
「藍、大丈夫か?悪りぃな…このまま奥突くぞ?」
彼のセックスはいつもズルい。汗と共に僕の顔に掛かる髪を優しく掻き上げると、額に柔らかなキスを落としてくれるのだ。
この甘美なセックスがこちらを堕落させる原因なワケだが…この日だけは、毎晩揺すられてばかりの僕も積極的になってしまう。初めて兄以外の人…香賀さんにも抱いてほしいと願ってしまったから。
「いいよぉ…慈にぃ、お仕置きしてぇ!!僕、悪い子なの…っ!」
「お前…!?」
(慈にぃ、好き!でも僕、香賀さんともHしてみたいんだ!!)
激しい痙攣を繰り返す僕の姿を前に、兄は何かを察したのか…射精する寸前で僕のナカからペニスを引き抜くと、自身の手でシュッシュッと音を立て、扱きだした。尿道から漏れ出た蜜は僕に与えられず、コンドーム内に収まってしまう。いつもであれば、中出ししてくれるのにあえてしないというのが、慈にぃの“お仕置き”なのだろうか。
「んう…これで“お仕置き”完了な。やっぱナカに欲しかったんじゃねぇか?待ってろ。もう一発――」
「――そうじゃないってばぁ…」
兄の心配を振り払い、僕に吸収される予定だった液体――元気な精子を求め、ソレをしゃぶった。
「はふっ…おいしい…あのね、慈にぃ。僕――慈にぃの他に好きな人ができちゃったの…。春に僕たちの引っ越しを手伝ってくれた、配達員のお兄さん…香賀さんっていうんだ。だからお仕置きしてほしかったのに…」
僕たちの禁断の関係は、どちらかに本気の恋人ができた時点で終わりを迎えてしまう。僕としては慈にぃも香賀さんも自分のモノにしたかったのだが…兄は僕の下心を理解していたのか、妙な提案をしてきた。
「謝るコトじゃねぇよ。その香賀って奴をお前のモンにしたいんなら、藍から襲ってみればいいじゃねぇか。心配なら兄ちゃんが傍にいるからさ…よし、俺と藍とソイツで3Pしようぜ!』
兄の手には今僕が身に着けているマイクロビキニと、彼自身の好みらしいメイド服風のランジェリーが抱えられていたのだった。
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