償い課~新任課長V字ハイレグ接待~
人生設計においてキャリア、結婚、子供…と順序立てて行いたいエリート営業マン、千ヶ崎。引き抜きにより実力重視の会社へ転職したものの、成果を上げられない日々を送っていた。ある日、人事面談で“償い課”への異動を打診されるのだが…裏部署である償い課で千ヶ崎は、上司・社長・後輩・顧客に犯され、性接待の快楽に溶けていく――。
人生設計というやつは、順序立てが重要だ。
俺、千ヶ崎禄朗(ちがさきろくろう)は35歳を迎えた今…つくづくそう感じていた。
ラグビーに明け暮れた大学時代から交際している同年齢の彼女――広美(ひろみ)にプロポーズをして、承諾を得たのが半年前。
ただ、このとき勤めていた【マネッティア生命】は年功序列が重視され、俺がいくら営業トップの成績を収めようが上司が特をするばかり。金にならない仕事をしている暇など三十路過ぎの人間にはなく、彼女の両親に挨拶を済ませてすぐこの会社に見切りをつけると――同業種である現在の勤め先…【サルビア生命】の引き抜きに応じることとなる。
(籍を入れる前に管理職に就かねぇと…)
サルビア生命は実力主義の経営方針。前職でトップを独走していた俺は、ここでも簡単に波に乗れると高(たか)を括(くく)り、すぐに広美との子供をもつ気でいたのだが――現実は、甘くなかった。
*****
「千ヶ崎くん…君は今月も新規の契約を取れなかったようだな。マネッティアの方ではいい仕事ぶりだったから、ウチの社長が直々に引き抜きを行ったそうだが――君はサルビアの方針とは合わないのかもしれないな。その屈強な図体は飾りか?営業は足を…いや“身体”を張ってナンボの世界なんだよ」
「…大変申し訳ございません。来月こそは必ず目標を達成してみせます!」
今日は目の前にいる彼…上栗(うえぐり)部長との人事面談日。今後の人生設計にも関わる大事な日なのだ。せっかく引き抜きに応じたというのに…使いモノにならないと首を切られてしまえば、お先真っ暗。短期での再就職活動なんて、“難あり”の人物だとアピールしているようなものだ。それに…結婚を控えている彼氏が“職無し”になったと知れば、広美も愛想を尽かすに決まっている。
「君はキャリアアップのために転職してきたんだよなぁ?ゆくゆくは管理職のポストに就こうって腹か。だが…ウチでは下から数えた方が早い。4月入社の新人と同レベルじゃないか」
『まったく笑い者だね』とこちらに目を合わせようとしない上栗から薄っぺらい会議資料を投げつけられても、負けるワケにはいかなかった。
「本当に申し訳なく思っております。必ずや挽回いたしますので…!」
“職を失ったらマズイ”の一心で、上栗相手に頭を下げ続けるのだが、彼の怒りは次第に嘲笑へと変わっていった。
「そうか。君は社長が引き抜いた“特別枠”での入社だから、後輩に追いつかれたって平気なのか。いいよなぁ、あの人に媚び諂(へつら)っているだけで、高い給料がもらえるんだから」
(くっ…!涼し気な顔して、言いたい放題だな…。けど、俺は広美との結婚が控えてんだ。稼ぐためにはサルビアに置いてもらわねぇと…!)
上栗に対しての苛立ちと、自分自身に対しての苛立ちがせめぎ合い、上司を前に爆発してしまいそうだ。この様子では管理職どころか、役職に就けるかさえ怪しい。そう思っていたところで、彼から意外な声が掛かった。
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