月曜日の憂鬱 (Page 2)

俺の自宅へ到着するまで、氷山さんはなんとか車内で嘔吐することを堪えてくれた。
真っ先に彼を俺のベッドへ寝かせると、冷蔵庫から買い置きしておいたミネラルウォーターを取り出す。

そして早速ベッドに突っ伏している氷山さんへ渡した。
彼はなんとか起きあがり、水を受け取って1口飲んだ。

「氷山さん、大丈夫ですか。吐き気は?」
「…店、出る前に吐いたから…今は楽かな…」
「そうですか、なら良かった」
「…その、本当にすまん」
「え?」
「まさか、お前の世話になってしまうとは…」

目は潤み、心なしか少し充血しているように見える。キョロキョロと俺から視線を逸らす彼の姿は、どこか庇護欲をそそるものに思えた。

そこまで考えて俺は、いや氷山さんは年上だし何より男だぞと心の中で自分に言い聞かせて、思考が変な方向に偏るのを抑える。

「…どうした?」
「い、いや!なんでもないです…!ちょっと俺、シャワー浴びてく…あっ!」
「うわっ」

狼狽している俺を心配そうに見てくる氷山さん。その視線から逃れるように、俺は立ち上がりシャワーへ向かおうとした。
しかし、これがいけなかった。

足がもつれて、ベッドの方に倒れ込んでしまったのだ。
ベッドには氷山さんがいるわけで、つまり彼を押し倒す形になってしまった。

「氷山さん、す、すみません!俺…あっ」

俺にぶつかった拍子に、氷山さんが手からミネラルウォーターを落としてしまったようだ。布団を被っていなかった彼のスーツのズボンの股間部分には、溢れた水による大きなシミができてしまった。

ーーまずい。
酒を飲んで火照っていた身体が、一気に冷めるのが自分でも分かった。すぐ、彼の前で土下座しようと向き直ろうとする。

しかし、氷山さんの反応は意外なものだった。

「…っ、大沢…」

いつもキツい顔で俺をこき使う氷山さんはそこにはおらず、俺に組み敷かれている彼は顔を赤くし眉を寄せ、恥ずかしくてどうしようもないという気持ちが溢れるような表情をしていた。

ドクン、と心臓が跳ねる。
視線を彼の下半身へ移すと、俺に濡らされた股間は緩やかに膨らんでいた。

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