ヘタレ先輩に襲われたい
俺・あおいは、長年の片思いを20歳の時に実らせた。相手はダンススクールの先輩・裕太。付き合って1年になるのに、裕太は一切手を出してはくれない。今日こそは、そう決めた俺はムッツリスケベな裕太に仕掛ける!ヘタレな裕太はどういう風な反応するんだろ?心だけではなく、ちゃんと体も繋がれるのか…?
「裕太くーん、いつになったら付き合ってくれんの?」
「ハタチこえたらな」
「誰にもバレなきゃ大丈夫だよ?」
「だめだ。ちゃんと大人になってから!」
ダンススクールの先輩の裕太に、俺はずっと片思いしていた。
ハタチになったら…と待てをされ続けて、やっと付き合った。
でも裕太くんは、キスから先をしてくれない。
オレに魅力がないから?とか、無理に合わせてくれてるんじゃないかって不安になる…。
じれったい思いをして今日で1年…。
「ごめん待った?」
「裕太おっそい、今日俺誕生日なんですけど」
「あおいくんが好きそうなアクセサリー選んでたら遅くなっちゃって…」
「えっ!あのアクセサリーとは無縁の裕太が選んだの?」
「失礼だな…!割と有名なブランドだから、デザインは悪くないと思うけど…」
「ふーん?」
箱を開けると小ぶりのモチーフがついたネックレスだった。
「ほんとプレゼントにネックレス選ぶあたり、裕太くんてムッツリだよね」
「年上をからかうのはやめなさい!」
「素直に嬉しいよ、ありがとう!」
「可愛いから許す…!」
そういってムッツリらしく喉の奥で笑ったあと、楽しく食事をした。
*****
「はぁー!ゴチでーす!」
「ちょ!声大きい!ちょっと飲みすぎなんじゃないの?」
「お誕生日様に説教ですか?」
「もう夜遅いんだから、うるさくするなよ…」
「裕太くんおんぶー」
「だから!声大きいって…」
「お家まで歩けない!あおいくんシュンてしちゃう!」
「わかったわかった!はいどうぞ」
「やったー!」
その背中は出会った頃より狭くて、俺も大きくなった事を実感する。
*****
「さすがにエントランスは降りて…」
「お家までー!」
「もう僕腕プルプル!限界なの!」
「はーい」
今日もなしなのかな…。
いつになったら愛してくれんだよ…。
「今日こそって思ってたのに…」
「ん?なんかいった?」
「なんでもなーい!お風呂はいろっと」
「いってらっしゃい」
「裕太も一緒に入る?」
「ちょ、そんな…!僕は、いや!その…」
「動揺しすぎ!いってきまーす」
シャワーあがったらとびっきりの用意してるし、覚悟しろよ裕太。
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