アイドルの秘め事 ~楽屋で寮でステージで~ (Page 3)
「ああっ! んっ…!」
「声抑えて。みんな寝てるとはおもうけど、一応、な」
付き合っていることを同じ寮に住む他のメンバーに勘づかれないように、寮ではあまりべたべたしないようにしている。
だから、時々こうやっていたずらされるのがうれしくてたまらない。
「ふう、あっ、ふんっ」
性器から汁が漏れて、薄手のパジャマに染みを作る。
「透磨、イきたい、お願い、イかせて!」
「わかった。イっていいよ」
パジャマを剥かれて中心をしごかれる。
腰がびくんと浮いて、真尋は大好きな透磨の手の中で射精した。
*****
翌朝。真尋が洗面台で歯磨きしていると、マネージャーが血相を変えて寮に飛び込んできた。
「透磨、真尋! いるか?」
「どうしたんですか?」
「お前ら週刊誌にすっぱぬかれてるぞ!」
「え!?」
メンバー5人でマネージャーの持ってきた誌面を囲む。
人気アイドルメンバーが男同士でお忍びデート。公園で熱いキス。
そんなタイトルの隣に、暗がりで透磨と真尋がキスしている写真が掲載されている。
間違いない、先週の休みにデートしたときのものだ。
「てか、お前らってそうだったの?」
メンバーに尋ねられて、真尋は声も出ない。
マネージャーが険しい顔をする。
「寮の前は記者が大量にいる。裏口にマイクロバスを停めているから、そっちに乗ってくれ。心配するな、何かの間違いだったって弁明すれば世間もきっと信じてくれる」
「待ってください」
透磨が制するように言った。
「俺と真尋が直接記者の皆さんに話をつけにいきます」
「おい、それは…」
「行こう、真尋」
透磨が立ち上がる。真尋もうつむいたまま後を追った。
*****
寮を出ると、大勢の記者がフラッシュを浴びせてきた。
「お二人が公園でキスをしたのは本当ですか?」
「ゲイだったんですか? それとも酔っぱらっていたのですか?」
真尋はうついたまま返答に迷う。
世間の前で恋人であることを否定したら、今後透磨に触れることはかなわないだろう。透磨の気持ちもいつか自分から離れていくだろう。そんなの嫌だ。
でも、自分たちはアイドルだ。積み上げてきたキャリアがある。ファンがいる。
透磨のためを思うなら、ここはマネージャーの言うとおりにするしかない。
決心したそのとき、記者たちの質問を、透磨が手で制した。
「待ってください、俺たちの話を聞いてください」
透磨はうつむいた真尋の顎をくいっと持ち上げると、大量のカメラの前で真尋の唇に口付けした。
「…え?」
頭が追いつかない。
「俺と真尋は付き合ってます!」
記者たちはぽかんとして、誰も何も言わない。
「ということなので、今日は失礼します!」
透磨が真尋の手をずんずん引いて寮に戻っていく。
「と、透磨!」
真尋の声に、透磨が振り向いた。
「俺はキャリアも真尋のことも諦めない。どっちも手に入れてやる」
「お前らなあ」
メンバーたちがあきれたように笑っている。
「俺たちでテッペン目指そうぜ!」
透磨は眩しい笑顔を浮かべて言った。
Fin.
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