チャラ男彼氏が俺と絶対別れない!〜エッチな勝負で決着だ?!〜
チャラ男彼氏へ別れを切り出したら、「絶対別れたくない!」と駄々を捏ね、「エッチで勝負しよう!」と言い出した?!「リョウちゃんが最後までオレのちんちんに負けなかったらリョウちゃんの勝ち。潔く別れてあげる。でも、リョウちゃんが負けちゃったら…わかってるよねー?」…って、そんな勝負、受けたらどうなるんだよっ?!
「別れよう」
と、俺が言い、
「えっ?!絶対イヤだ!!」
と、ケンジが言った。
「リョウちゃんってば、そうやってすぐ別れるとか言い出す!イヤだよ、オレ絶対別れないよ!なんでそんな酷いこと言うの?」
大声でガキみたいなことを捲し立てるケンジに、俺はついカチンときた。
「あのな。そりゃ別れたくなるようなことばっかりやるからだろ。あの筋トレマシーン、なに?この狭い部屋には邪魔だしそんなもん買う金がどこにあるんだっ?!」
負けず劣らずの大声で言い返すと、ケンジはぶすっとした顔で俺を見る。
「だってー。リョウちゃんが、筋肉ある男のほうが好きって言うからぁ」
「はぁ〜?そんなこといつ言った?」
「こないだテレビでやってたじゃーん。自分で言ったのに忘れたの?」
…ああ。そういえば、芸人が筋トレで肉体改造チャレンジとかなんとか、テレビでやってたっけ。それを見たケンジが、「リョウちゃんもこれくらい筋肉あるほうが好き?」とか聞いてきたから、「まあ、ガリガリよりはいいんじゃね」なんて適当に返したんだ。
それが、このアホみたいなでっかい筋トレマシーンに繋がったっていうのか?
「…。」
俺は静かに、改めて、キレていた。
高校時代から付き合っているケンジは、20歳の半ばを過ぎても金髪ソフトエルフ、両耳にはバチバチのピアスというチャラついた見た目の男である。そしてもちろん、その見た目通り、中身もかなりチャラチャラしている。
おまけに金遣いもだらしがないときたもんだ。服でもゲームでも家電でも、欲しいと思ったらすぐ買ってしまう。おかげで同棲している部屋は無駄なものが山になっていた。別れたいというよりも、別れたほうがいい、といったほうが正しいだろう。
「今まで何ッ回もお前に言いくるめられて関係を続けてきたけど、もう限界だ。ガキじゃあるまいし、いい歳過ぎてこんな金の使い方するアホとは付き合いきれん。別れよう。すぐ別れよう。今日別れよう」
「ヤダヤダヤダっ!!リョウちゃんの意地悪っっ!!」
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