チャラ男彼氏が俺と絶対別れない!〜エッチな勝負で決着だ?!〜 (Page 2)
あろうことか、ケンジは大の字になってジタバタと両手をばたつかせて抗議をし始めた。はっきりいってドン引きである。
俺は虫のように蠢くケンジを無視して、静かに自分の荷物をまとめ始めた。
話し合いが決裂しそうだと察したケンジが、無駄な対抗をやめて素早く起き上がり、悔しそうな顔で言った。
「…本当にいいの?リョウちゃん。オレと別れたら、絶対後悔するよ」
その低い低い声に、俺はつい振り向いてしまった。
「…なんで俺が後悔するんだよ。お前と別れたら明るい未来しか待ってねぇわ」
「だってさー。リョウちゃん、元々ノンケで女の子としか付き合ったことないじゃん。オレと付き合ってるコトだって、隠してるわけじゃないけど聞かれないと言わないし、他にゲイの知り合いもいないっしょ?オレと別れたらどーやって新しく男の恋人作るの?下手したら、もう誰にもお尻気持ちよくしてもらえないかもしれないよ?そんなのリョウちゃんに耐えられる?」
「…っな、にを、言い出すかと思えば」
あまりに下品な言い分に、俺は思わず顔を赤くした。
「アホか!それなら超かわいい彼女作るから問題ねーよ」
「え〜?かわいい彼女さんもいいけどさ、彼女さんにおちんちんはついてないよー?リョウちゃんはお尻で気持ちよくなるの大好きなのに、寂しくなっちゃうよー?」
「ならない!」
「ほーんとにー?」
ケンジがニヤニヤと小馬鹿にしたような顔で俺を見ている。
俺はムッとして、つい偉そうにこう言ってしまった。
「お前のセックスがどれほど大したものだってんだ?なくなっても全然困らないんだよ!」
「…へぇー?」
ケンジが口元をニヤつかせたまま、少しだけ目を細めた。そこで、俺は「あ、やばい」と気がつく。ケンジがこの顔をしたとき、ろくなことが起きたためしがない。
「あ、いや。ケンジ、その」
「そっかそっかぁ。そうだよねー。オレのエッチなんて大したことないよね?リョウちゃん、オレのちんちんなんかに負けないもんねー?」
「聞けって、ケンジ。俺が言い過ぎ…」
「リョーウちゃん」
立ち上がったケンジが、がしっと俺の両肩を掴んだ。
ニッコリ笑ったケンジの目が、笑ってない。
「じゃ、最後に勝負しよっか?」
「しょ、勝負…?」
「リョウちゃんが最後までオレのちんちんに負けなかったらリョウちゃんの勝ち。潔く別れてあげる。でも、リョウちゃんが負けちゃったら…わかってるよねー?」
「な、なにを…?」
「もちろん、罰を受けてもらうんだよ」
低い声が、耳元で笑う。
「オレのエッチが気持ちよくないって嘘ついた、罰」
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