その手錠で繋がせて
交番勤務をしている真也は、尊敬する先輩警官の要と交際している。欠伸が出る程に平和な夏の昼下がり、仕事中にも関わらず要の放つ色気に欲情した真也は我慢が出来なくなり、交番の奥で要に迫る。
交番での勤務が半年を過ぎた頃。
新人の真也は、憧れの先輩だった要とやっと思いを通じ合えることが出来た。
最初は相手にしてもらえず、適当にあしらわれてばかり。
しかし、粘り強く告白を繰り返し、やっとのことで受け入れてもらえた。
更には最近、同棲にまで漕ぎ着けて真也は毎日幸福感に満たされていた。
それでも、田舎の交番勤務は暇なもので、出るのは欠伸ばかり。
そんな暇な、ある夏の午後のこと。
「ふあ〜あ…今日も暇ですねぇ…」
「警察が暇なのは、平和な証拠だろ」
「そうですけど〜」
真面目な要も思わず机に頬杖をつきながら、気の抜けた返事をする。
交番の入り口で微かに揺れる風鈴の音と、グラスに淹れられた麦茶の中で溶ける氷の音が聞こえるだけ。
机に突っ伏しながらぼんやり要を眺めていた真也は、ふと一点に視線を集中させた。
元は白い肌が夏場で仄かに焼け、首筋に沿うように流れていく汗。
その様子があまりにも官能的で、真也は目が離せなくなった。
湧き上がってくる邪な心を振り払うように、激しく首を左右に振る。
「真也、どうした?暑さでおかしくなったか?」
「ち、違いますよ!…そ、そういえば!要さん、そろそろ休憩でしょ?」
「あぁ、もうそんな時間か。それじゃ、頼むぞ」
無防備な要に気を逸らそうとしても、一度意識してしまうと、真也の脳内は疾しい思考で埋め尽くされていく。
幸い人通りもまったく無く、事件も起こりそうにない程に平和。
要を休憩室に見送ってから、ほんの数分。
暫く葛藤をしたのちに、真也はゆらりと陽炎のように立ち上がった。
*****
「……真也?どうした?」
真也の心の内も知らず、少し遅めの昼食を終えてソファで寛ぐ要がのんびりと声をかける。
途端、真也は覆い被さり、唇を食むように深く口付けた。
「んんっ?!…っ、ん!…っは…やめ、っ…」
突然のことに両目を見開き、数秒されるがままだったものの状況が飲み込めると突然暴れ出す要。
真也は暴れる要の両腕を押さえつけ、手錠をはめると無理矢理唇を割り開き舌を侵入させ、逃げ回る要の舌を捕えては絡める。
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