噛んでください、お兄さまっ! (Page 3)
どのくらい経っただろうか。
そして、何度果てただろうか。
もう、肩で息をし始めている。
俺の後ろも、蒼依の精液で溢れかえっている。
「はぁっはぁっ」
「なぁ……っ、まだ、やんの?」
「……噛んでいいか?」
「え?」
俺はぐるりと、力ずくでバックの体勢にされ、そしてまだ反り勃っている蒼依はズンズンと突いてきた。
「あぁあっ……! もう、無理だって、……ぁあっ……もうたくさんイッたからぁ!!」
イヤイヤと首を振る俺だが、蒼依はそんなこと気にしない。
「ねえ、蒼依……んっ」
「あ? なんだよ」
「噛んで……? お兄ちゃん……」
俺は涙目になりながら蒼依を見つめてそう言った。
蒼依は豆鉄砲をくらった鳩のような顔で俺を見た。
「……後悔すんなよ」
――ガブッ
ツーっと首筋に血が垂れてくるのがわかる。
「何休んでやがる」
「アッ……待っ……んふぅ、ぁあっ」
蒼依は俺の両腕を掴み後ろからガンガンと突いてくる。頭がおかしくなりそうだ。
――!?
「あっ!?」
「なんだよ、イイトコロにでも当たったか?」
「あぁあぁあっ、あっ、あ……」
「なんだよ、できんじゃん、メスイキ」
番になった瞬間、番だけが感じられる匂いがした。その匂いにあてられた蒼依は止まることなく、そして俺も蒼依を求め続けた。
*****
「雪翔」
「なに? 兄ちゃん」
「その……番になって後悔してねぇか?」
「……蒼、じゃなくて……兄ちゃんのこと嫌いじゃないし」
俺は幸せを手にした。戸籍上の兄だけれど、番になれた。しかも、魂の番。
今はまだケンカもするけれど、毎晩のように行為に及んでいる。
*****
「兄ちゃん」
俺はそう言って兄ちゃんの唇にキスを落とす。
「雪翔……」
「好きだよ、兄ちゃん」
Fin.
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