可愛い僕の愛しい元彼 (Page 4)
中に入ってきた恭弥のものの熱さと大きさに、思わず声が出る。
「あ、熱い……恭弥の……入ってる」
「可愛いこと言わないで」
恭弥は一瞬目を細めたあとに、緩く腰を振り始めた。
「あっ、ん、あ」
お腹の奥を突かれるたびに、反射的に声が出る。それが恥ずかしくて口を抑えた。それなのに恭弥はまるで無理やり声を出させるみたいにしてわざと弱いところを突いてくる。
「あっ、きょうやっ」
「ここ? 瑠璃」
逃げたくてシーツを掴んだ手に、そっと恭弥の手が優しく重ねられる。
「瑠璃、好きだ」
恭弥のきれいな顔が歪む。気持ちよさそうだ。この顔を知っているのが、世界中で自分だけだと思うと、ぞくぞくする。
「恭弥……っ」
肌がぶつかる音が部屋に響く。気持ちのいいところばかりを突かれて、まるで恭弥にすべてをあばかれているみたいだった。
「瑠璃……っ、俺のこと、好きか?」
喘ぐ僕に向かって、途切れ途切れの声で恭弥がそう聞いた。
僕は恭弥に向かって腕を伸ばす。恭弥を強く抱き締めて、何度も頷く。
「好きっ、恭弥……、好きだよ……!」
恭弥の動きがいっそう激しくなった。気持ちいい、と思わずまた口にする。
「瑠璃、いきたい……いっていいか……?」
その言葉に、僕は頷く。
「いって……恭弥……っ」
*****
「ずっと、瑠璃だけが好きだった」
僕の中で果てたあと、恭弥は僕にそう言った。あまりにも真面目な顔をしているので、僕も恥ずかしさがどこかへ行ってしまった。
「僕も……」
恭弥の裸の胸に、頬をつける。あ、と思った。恭弥の心臓が、僕のそれよりもずっと早く、ずっと強く、脈打っている。
「恭弥」
僕は自分だけの秘密を見つけたみたいで嬉しかった。顔を上げて、恭弥の唇に、そっとキスをする。
「好きです、付き合ってください」
高校時代、恭弥が喋ったこともなかった僕に言ってくれた、その言葉を、今度は僕が恭弥に言う。
恭弥が、穏やかに目を細めた。
Fin.
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