内気な僕の悩みを聞いてください (Page 2)
パソコンの画面には僕が想像しているよりもたくさんそういったお店がヒットし、画面を埋め尽くした。
とりあえず一番に目に入ったホームページをクリックする。
“現在待機中! 大人気某俳優似! 当店人気ナンバー3です!”
「うわぁ、本当にあるんだ…」
さらに料金欄をクリックすると時間によって値段が違うこと、オプションもたくさんあり、過激なものになるにつれ金額も跳ね上がってゆくこと。
僕は悩んだ。お金を支払ってでも男性とセックスがしたい。
…誰にも話せなかった悩みを聞いてほしい。
…抱きしめてほしい、キスをしてほしい。
誰にも打ち明けるつもりはないと思っていたけどやっぱりそれは辛かった。
それはただの強がりだったのかもしれない。本当は孤独に押しつぶされそうで、押しつぶされそうで…
さらにそのゲイ向け風俗はデリバリータイプのようで、電話1本で自宅まで来てくれるし、24時間対応の風俗店のようだった。
…僕は意を決してスマホの発信ボタンを押そうとした。
そう、この発信ボタンさえ押せば…押せればいいのに。
…でもいつまで経っても発信ボタンは押せなかった。手が震えてしまう。その代わりにいつの間にか僕の目からは大量の涙が溢れていた。
*****
数日後このままじゃいけない、そんなように思った僕は、男性同士のセックスを収めたAVなら抵抗なく購入できる。今はインターネットで簡単に購入できることに気が付いた。
「これなら…でも、こんな怪しいサイト…個人情報とか悪用されないかな…」
僕はしばらく考えた。
「…よくよく考えてみたら直接家に風俗の人を呼ぶ方が危ない気がする…」
そう思った瞬間、僕は住所とカード情報を入力して購入確定ボタンを押していた。
*****
「ほっ…ほんとに届いた…」
実は詐欺で商品が届かない、なんていうこともあるらしかったので少し僕はほっとした。
…でも実際に目の前にあるAVはパッケージから刺激が強いもので、自分以外の勃起している男性器なんて初めて見た。
パッケージの裏側を見ると上司と部下モノのAVのようで誰も居ないオフィスであんなことやこんなことをする…
こういった作り物の世界、AVだからこその設定ができる不思議な世界。
「現実逃避…か」
最近のコメント