調教サディスティック

・作

ある日街で見かけた褐色の青年、烈(レツ)に一目ぼれしてしまった静流(シズル)は、烈を閉じ込めて抱き続ける日々を繰り返していた。徐々に淫乱へ変化していく烈へ、媚薬と焦らしを駆使しながら、今日も静流は甘い快楽を教え込んでいく――

むせ返る匂いに、ふらりと歩き出した。

一歩踏み出すごとに鼓動は高鳴り、息が上がっていく。

気持ちはまるでクリスマスプレゼントを前にした子供のよう。

違うのは、今がとても過ごしやすい春だってこと。

そして静流を待っているのは、クリスマスプレゼントよりもはるかに上質で美しくて、卑猥なもの。

コンクリートむき出しの部屋に、場違いなほど純白なキングサイズのベッド。

そしてその上に褐色の裸体が一つ。

色彩のコントラストに背徳感が強まり、同時に痺れるような甘い快楽が背筋を上ったのを感じた。

黒い短髪、程よく引き締まった体。長い肢体。

目隠しをしていてもわかる切れ長の目の鋭さに喉をクツリと鳴らした。

「ただいま、烈」

「っ…!」

唇を寄せて耳元で囁けば、ビクっと体が跳ねた。

怯えたように身を縮ませて、静流から距離を取ろうと逃げる烈の足を掴んで引きずり倒す。

口枷(かせ)の間から漏れた短い悲鳴が愛おしくて、口角にキスを落とした。

「こんなにぐしょぐしょにして、待ち遠しかったかい?」

「んぐ、っ…」

右足に手を這わせて焦らす様に撫でてやれば、押し殺した声が小さく響く。

随分つらいだろうに、烈はいまだ自我を保ち反抗してくる。

それが静流にとって、大層喜ばしいことだった。

「ペニスもこんなに腫らせて、真っ赤だね」

「っ、ふぐ!んん、ッ」

パンパンに腫れた陰のうを人差し指でもてあそべば、早く触ってほしいとばかりに腰が揺れた。

同時に、烈のペニスが腕に触れる。

どうやら擦り付けてきているらしい。

だが、そんな挙動すらプライドが許さないのだろう。烈はギャグボールを軋むほど噛んだ。

「素直になればいいのに。もう君は僕のものなんだから」

「ぁーっ!ぐ、ぁ…ッ」

アナルを塞いでいたプラグを乱暴に引き抜き、体内へと指を埋めていく。

烈は静流の腕を掴んでイヤイヤと首を振るが、媚薬付けにされた体は思うように力が入らず微々たる抵抗で終わった。

快感は、脳髄をフリーズさせるほどに強大で甘美なものだったのだろう。

震えて力の入らない太ももと、触ってほしそうに突き出してくるアナル。

静流は嫌がっている烈の意思とは裏腹に、体が従順になりつつあることを知って満足げに微笑んだ。

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