熱を出した俺の恋人が可愛すぎる
この作品は、大学生の男子生徒2人、「伶」と「洸希」が繰り広げる青春ストーリーになっております。夏祭りに2人で行くはずだったのに当日に熱をだしてしまった「伶」。そんな伶のもとにお見舞いに行く洸希だったがまさかの展開に?!ラブラブなボーイたちの恋愛ストーリー!楽しんでいだだけると嬉しいです!
今日は前期テストの最終日。
今年は異常な暑さにやられクラスメイトはバテ気味。このテストさえ乗りきれば夏休みということもあって、学生たちの間にはダラっとした空気に包まれている。
「ねぇ、洸希(こうき)。一緒にお祭り行こうよ!」
トントン、と肩を叩かれ振り向くと、元気な声で話しかけてきたのは俺の友人であり初恋の人、「松下伶(れい)」。
伶は男だが、気がついた時にはもう好きになっていた。
整った女の子みたいにきれいな顔。透き通った瞳。
笑った時のかわいいえくぼ。
誰にでも明るく優しい性格。
俺はきっと、出会った時から伶のすべてに惹かれていたんだと思う。
今では俺の恋は報われ、伶とお付き合いをしている。
「祭りかぁ〜いいね!久しぶりに行きたいかも」
「やった!決定〜」
そんなこんなであっという間に祭り当日に。
と、思ったら伶が突然熱をだした。
夏風邪かな。まぁ仕方がない
伶と一緒に行くはじめてのイベントだったから楽しみにはしていたが…。
こういうときは大人しくさせておいた方がいだろう。
かといって、行かないのはつまらないし、1人で行くのはあれだし…
誰か暇そうなやつでも誘ってみるか。
そう思いメールを打とうとした時、伶からメッセージが来た。
…
ズキューンッッ!!
か、かわいい…!
いや、普段がかわいくないとかそーゆーわけじゃないんだけど、「さみしい…」って、思わずキュンとしちゃったじゃねぇか!!
よし。今年は祭りに行くのはやめて見舞いでも行くか…って、伶の家知らないわ。
新しくできたアパート…って言えばあそこか。
とりあえず、スーパーにでも寄ってスポーツドリンクとか風邪薬とか買って行ってやるか。
*****
「よし、ついた」
外観を見ながらすごく新しいなと思いつつ、呼び鈴を鳴らした。
──ピーンポーン
「はい…」
奥から弱々しい声がきこえると、ドアがガチャっという小さな音を立てて開いた。
そこには、普段とは違うパジャマ姿で顔を赤くさせている伶がいた。
「おい、大丈夫か?」
「うん…なんとか大丈夫だよ。ありがとう、来てくれて」
「それは全然いいんだけど…ご両親は?」
「今日は2人とも仕事で1日いないんだ。それで寂しくて…洸希に会いたくなっちゃって…」
そんなことを赤い顔で言うもんだからこっちまでつられて体に熱がこもるのがわかる。
「とりあえず上がっていい?」
「え…でも、」
「いいから、今日1日俺が看病してやるよ」
と、言いつつ部屋に上がらせてもらったが。
密室にカップルが2人きり…ってないない。俺は一体なにを考えてるんだ。
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