有名人は大変なんです (Page 3)

この中川という男、気持ちが悪い。俺はさっさと要求に答えたく、早口で答えた。

「…で、ご用件は?俺のサインが欲しいとか?」

「僕とイイコト…しない?」

「はぁ?俺はそういう趣味はっ――」

俺が言いたいことを言い切る前にソファへと強く押し倒される。

「てめぇ!いい加減にしろよ!」

俺は男だ。余裕で跳ねのけられると思ったが、力づくでもびくともしない。
…なぜだ。
俺の身体はソファへとますます沈んでゆく。

「お前っ…」

「僕、柔道やってたの。だから寝技は得意…みたいな?」

中川はそう言い、ニタァ…とした笑いを浮かべる。
俺の頭の中は”気持ち悪い”の単語で埋め尽くされてゆく。

次の瞬間、カチャカチャというなにかの金属音と手首に冷たい感覚が走った。

「これで…大人しくできるよね?」

…手錠だった。

「なっ、なんでこんなもん…」

「だって暴れるだろうし…それと僕の趣味?」

「いい加減にしろよ…!」

そんな言葉も聞こえないフリを決め込む中川。中川が持っていた斜め掛けのカバンから続々とそういったプレイに使うであろうおもちゃが大量にガラステーブルの上へと並べられてゆく。

「これ、どう使うかわかる?」

ガラステーブルに乱雑に置かれた大量のおもちゃの中から丸い球が連なって気色悪い色をした棒を手に取り、中川が言った。

「しらねーよ」

ぶっきらぼうに答える。

「へぇー、ホントに?じゃあ教えてあげる」

抵抗しようにもこいつは力が強すぎるし、手の自由が利かない。俺は乱暴に起こされ、下半身をありのままの姿にされる。

気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い…!

「で、もっと脚開いてよ?M字開脚ってやつ?」

俺はなにも答えられなかったし、大人しく指示に従うなんてこともできなかった。

「あれれ?恥ずかしいのかな?なら…」

と目にアイマスクをされた。

「これなら僕にしか見えないよ?ほら」

たしかに視界は真っ暗でなにがなんだかわからない。

「でね、さっきのアレ、アナルパールっていうの。お尻にいれて気持ちよくなるおもちゃ。目に見えてるとちょっと怖いかもしれないから…ね」

「ひっ…やぁっ…!ああああっ!」

突然秘部に激痛が走る。たぶんそのアナルパールとやらを後ろ手から挿入されたのだろう。

「ローションたっぷり塗ってから入れたのに」

じゅぽじょぼと出し入れされるたび痛みが強くなっていき、

「あーあ、ローションすぐ乾いちゃったね。そんなに痛い?」

また中川の笑い声がする。

「痛いに決まってるだろ!」

怒りに任せ大声で怒鳴り散らす。

「おー怖。なら次は気持ちよくしてあげる」

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