この心をどうやって伝えようか (Page 3)
震える身体を抑えて風呂場から出る。脱衣所には案の定彼がいて、ふかふかのタオルを頭に被せられた。
「…別に、こんなことしなくても……」
「まぁもう一回風呂に入ることになるからな。風邪をひかないように軽く拭くだけだ」
…どうやら、まだ俺のことを抱ける気でいるらしい。女とヤる時でさえ反応しないことがあるのに、男で勃つわけがない。けれどどれだけ言っても無駄なことは経験からわかっている。
だから俺は大人しく彼に連れられて寝室のベッドへと横たわった。
「じゃあ…触るぞ」
「……好きにしろよ」
彼の男らしい手が、俺の首筋に触れる。
こそばゆいような感覚に反射的にピクリと身体が震えたのを見て、彼は嬉しそうに笑った。
「首、好きなのか?」
「っ…別に、くすぐったいだけだ」
「そうか」
ベッドサイドのランプだけがほのかに照らす部屋の中、笑みを深める男の顔に、ぞくりと下腹が疼く。
そんな俺を知ってか知らずか、彼は俺の首に顔を寄せ、口付けを落としていく。…一度も唇にはしたことないくせに。
「っ…は、ぁ…」
「くすぐったいか?」
「くそ、からかう…あッ!?」
くすくすとからかうような笑い声をこぼすカレに反論しようと口を開いたところで、べろりと這うように首筋を舐め取られる。
先程までの柔らかな刺激とは違うその感覚に、俺は女でもないくせに甘い声を漏らした。自分のこんな声など聞きたくはなかったと唇を噛み締め、未だ続く刺激に耐えていれば、口元に彼の親指が触れる。
「おい。唇切っちまうぞ」
「知るか…っ、どうしようが、俺の勝手だろ…!」
「俺がお前が怪我をするのが嫌なんだ。…それにさっきの声、もっと聞かせてくれないのか?」
「は、ァうっ…!あ、んた…、さっきから、人が話してる途中に…!!」
空いていたもう片方の手が、いつの間にか胸の突起へと伸ばされている。それに気づいた時には抑えていた声が唇から漏れ出ていた。
「く…ぅ、ァ…!」
「はは、気持ちいいみたいでよかった。男がここを感じるかは人によるらしいからな」
「っ男なのに…、感じて悪かったな…!」
「何言ってんだ。むしろ滅茶苦茶興奮する」
「ッほんとやめ、あァッ!!」
「…こっちもそろそろ触るか」
「ひっ…!」
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