この心をどうやって伝えようか (Page 4)

胸から腹を通って下半身へと彼の指先がスルスルと移動する。そこにはすでに痛いほど反応した自身がそそり立っており、少し触れられただけでも大げさに身体が跳ねてしまった。
余裕なさげな俺を見て、余裕たっぷりの彼はさらに笑みを深める。…妖艶な彼の様子に、さらに腰が重くなった。

「ん?また大きくなったな…何に感じたんだ?」
「うるさ、ヤるならさっさとしろよ…!!」
「はは、嫌だね。こんなトロトロになってるお前を見れる機会なんて今までなかったんだ。もっと堪能させてくれよ」
「っあぁッ!!!ひ、ゃア!!ふっ…ゔぅ〜ッ…!!」

言葉とともに雷に打たれたような刺激が身体に流れ始める。うめきながら下を見ると、そそり立った自身に彼の大きな手が絡め取られていた。
それだけではなく、見えないけれどもう片方の手の先は間違いなく俺の穴に入っている。拡張を目的とした動きで快感など覚えるはずもないのに、その間も前を擦ることをやめないのだから快楽でおかしくなりそうだ。
止めたくても気持ちよくて、何より自分の好きな男が自身の浅ましい身体を触っている現状に酔ってしまって止められない。
そうしているうちにも限界は近づいてくる。

「やめ、もうでる…でるからぁ…!!」
「いいだろ、出せよ」
「っぁ、ぐ…!ひ、ぁああっっっ…!!」

けれど限界を訴えても攻め手は弱まることなく、むしろ弱い先端を強く刺激されたことでその手に欲を吐き出す。他人の手…それも好きな男の手で達せられたことにより、ふわふわと頭の中が真っ白になる。
そしてぼんやりとした思考のまま視線を彼の方へと向ければ、立派にそそり立った彼のモノに避妊具を付けている最中だった。
白かった頭の中が驚きで塗りつぶされる。言葉が思わず口から零れ落ちた。

「うそ、だ…なんで、たってるんだ?」
「好きな奴の蕩けた姿を見たんだ、当然だろ?」
「…っ嘘じゃ、ないのか?アンタ、本当に俺のことが好きなのか?」
「本当だよ。…それこそお前に告白される前から、お前のことが好きだった」

次の瞬間、唇に暖かい温もりが落ちる。
キスされたと気がついたのは、その温もりが離れた後もなお、彼の顔が眼前にあったからだ。

「なぁ、駿。お前が好きだ。頼むから、俺に抱かれてくれないか?」

先程とは違う種類の涙が頬を伝う。
はじめて、キスされた。
好きと言ってくれた、俺に興奮してくれた。
それらすべての出来事が代えようのない事実として俺の前にあることが嬉しくて嬉しくて。
可愛さのかけらもなく涙を流しながら、それでも必死に自分の思いを…あの日から一度も言えなかった言葉を口に出す。

「……っ、おれも、ずっとアンタに…陽に抱かれたった…!」

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