今夜、義弟に犯されます (Page 4)
今日は金曜の夜。
珍しく残業もなく仕事を終えた純一が自宅マンションの前に到着したときだった。
エントランスに入る直前に、背後に迫る人の気配を察した。
振り返ると、そこには思いもよらぬ人物が立っていた。
「圭人くん…」
思わず、声が震えた。
「こんばんは、純一さん」
やや低めの澄んだ声が純一の名を口にする。
「恭子になにか用かな? あ、でも…恭子は今夜は飲み会で遅くなるって…」
「知ってる。だから、あんたに会いに来た」
単刀直入に告げられた内容と必要以上に縮まる距離に緊張が走った。
「…僕になんの用が…」
「しらばっくれるなよ、もうとっくに気付いてんだろ」
急激に変わる圭人の口調と凄むような態度に純一は身をすくませた。
誤魔化すのは不可能だ――純一は目を泳がせながらも逃げ道を探した。
「…今手持ちがなくて、すぐにコンビニで下ろし…」
「金じゃねえよ」
圭人の横を通り抜けようとするも、不意に伸びた手に、純一は呆気なく捕まった。
「あっ」
エントランスのガラス扉に突かれた手、眼前に迫る唇が囁いた。
「欲しいのは、あんただよ」
義兄(にい)さん――と、耳に届いた声は色気を放ち、純一の身体に火を灯した。
最近のコメント