今夜、義弟に犯されます (Page 5)

「…っ、ほんと、人生ってなにが起きるか、わかんねぇよな」

「ん、ぅ…んっ」

 上半身を乱され、後ろ手に手首を縛られた純一は口腔内に捩じ込まれた圭人の熱を頬張りながら、小さく呻いて頭を上下に動かした。

 純一を拘束するために使われたネクタイは結婚式の直前に妻からプレゼントされたものだった。

 それだけじゃない…今、圭人が足を投げ出し座っているのは数ヵ月前に妻の恭子と二人で訪れた家具店で、「どんなのがいい?」と二人で話し合い決めたソファだった。

「まさか、姉ちゃんの結婚相手が、あんただったなんて…」

「ぁ…きょうこ、のことは言う…んっ、んぐっ」

「誰がやめていいって言った?」

 反論のために口を離すも、すぐに後頭部を押され、喉の奥に入り込んだ陰茎が言葉を奪う。

「すげ…締まる…」

 嘔吐(おうと)反射により痙攣する喉の筋肉が意図せず圭人の熱を締め上げる。

 感嘆の吐息を漏らす圭人とは反対に、純一は込み上げる悪心を耐えて頭を引き、脈打つ熱に舌を這わせた。

「あんた、女もイケたんだ?」

 答えられぬと知りながら意地悪く投げかけてくる相手に眉を寄せ、窄(すぼ)めた唇で陰茎を扱いて滲んだ先走りを吸い上げる。

 彼を悦ばせるにはどうしたらいいか、嫌というほど知っている。

 尖らせた舌先で裏筋を根元から先端にかけて舐め上げ、括れ部分をしゃぶり、先端から半分までを口に含んで扱く。

 別の動作も取り入れながらそれを繰り返していくうちに、圭人の呼気が浅く乱れていくのを感じた。

 早くイッてくれ――そう願い、丁寧かつ性急に愛撫を施(ほどこ)すのは自分自身のためでもあった。

「んっ、ふぁ…っ、んっ、ん…」

 口の中に広がる雄の匂いが純一の欲情を煽り、理性をかき乱すからだ。

「は――っ、イキそ…」

 圭人が限界を訴える。

 それを聞いて、純一は鈴口をほじるように舐めてから、竿の半分までを咥え込むと裏筋に舌を吸い付かせ頭を激しく動かした。

「く、ぁ…」

 頭上に響く呻き声、彼の腰が浮き上がり、純一の口の中で熱が弾けた。

「ん、ん…く…」

 数回に分けて放たれる白濁の苦味に顔をしかめながらも嚥下(えんげ)し、最後の一滴まですすった。

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