肉体系体育教師はセラピストの強制女性化プレイに夢中! (Page 2)

「九折智和(くおりともかず)さんですね。本日担当になりました、羽後と申します」

女性陣が色めきだつのも無理はない。俺の前に現れた噂のセラピスト、羽後紫苑は中性的な風ぼうをしていた。アッシュのミディアムマッシュヘアのサイドを耳にかけながら、こちらを頭のてっぺんからつま先まで嘗(な)め回すように見やると、次のような提案をしてきたのだ。

「先ほど受付で“もみほぐし60分コース”の申し込みをされていらっしゃいましたが…ただいま、当店自慢のオイルマッサージを無料サービスしております。この機会にいかがでしょうか?」

――オイルマッサージか。ただ足ツボを押したり、肩を揉むのとは何が違うのだろう。とはいえ…タダという言葉に俺は弱かった。

「それじゃ、つけてもらおうかな」
せっかくだからとお願いすると、『オイルマッサージでは服が汚れますので、着替えをお願いします』と紙素材の紺色パンツと、バスローブを渡された。

「えっ…もしかして、全部脱ぐの!?」

すっとんきょうな声で驚くと、待合室にいた何人かの女性客が顔を見合わせてクスクスと笑いだした。どうやらオイルマッサージで衣類を身に着けないのは“普通”のことらしい。

「――いや、なんでもないです…着替えてきます…」

その場に居づらくなった俺は、施術室の真横に用意された男性更衣室で一糸まとわぬ姿…とはいえ、その上から紙パンツとバスローブを着こんでいるので、思ったよりも安心感のある格好となり――羽後の待つ部屋へと向かった。

さすがに値が張るだけあって、施術室は壁で一室ごとに分けられていた。白を基調とした部屋には、観葉植物で緑が添えられ、スピーカーからは心やすらぐオルゴールの音が流れている。

「リフレでは一気に老廃物が流れようとします。水分補給も兼ねて、リラックス効果とデトックス効果のあるカモミールティーをお召し上がりください」

そこで出されたのが、おしゃれなカップに入ったハーブティーだ。寂しい男一人暮らしでは、このような高級茶に手を出す機会がない。

このときの俺は安易にも『デトックス効果か…』とカップ1杯のカモミールティーをゴクゴクと飲み込んだのだ。

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