ページをめくる細い指 (Page 2)
え~めっちゃ雑誌見てる。
しかもそれ男同士のやつだぞ。
「おい、仕事中だぞ。しかもそんな雑誌ガン見するなって」
「ハハッすみません、思わず見ちゃいました!」
「さっさと終わらせて昼休憩しよーぜ!っにしてもお前は最初からよく俺に話しかけてくるよなぁ、今までの新人には最初かなり怖がられてたからさ」
「野崎さんは怖くないですよ、よく見れば…」
「ん?最後聞き取れなかった?なんて?」
「なんでもありませーん!よし!今日はハンバーガー買いに行こうかな~?」
ほんと、人懐っこいやつ…。
*****
「ふぅ…、今日は忙しかったな~」
「そうですね、人気作家さんの発売日はお客さんいつもの倍ですね」
閉店後の事務処理を終えて帰ったら、俺もこの作家の本を読むんだ!!
楽しみで仕方ない!作業も軽々と進んでしまう!
「野崎さん、何か嬉しいことでもあったんですか?顔がニヤニヤしてますけど?」
「二ヤけてないよ、実は俺もこの作家さんファンで早く帰って読みたいなって考えてた」
「へぇ~、僕はまだ読んだことないです、面白いんですか?」
「うそだろ!?小柳先生の作品はどれも傑作だぞ!俺は全部持ってるし何回も読んでるぐらいだ」
「じゃぁ今から野崎さんの家に読みにいってもいいですか??」
「いいよ!絶対にハマるから!」
あ…勢いでOKしちゃった。
藤田は嬉しそうにパタパタしっぽ振って喜んでる。
まぁいいか、俺も好きな作家の話をしながら飲むのは楽しいし。
*****
最近のコメント