ページをめくる細い指 (Page 6)
果ててぐったりしている俺の肩を優しく引き寄せてそっとおでこにキスをした。
「あの…勢いに任せてこんなことしてしまって…すみません…あの、僕のこと嫌いですか…?こんな…後で聞くのは間違ってますよね…」
しゅんと耳もしっぽも垂れ下がった藤田を見ていると愛おしく見えてくる。
別に元々嫌いなわけでもない…ってかさっきと変わりすぎてこっちが悪いことしたような気分になるじゃんか。
「いや、嫌いなわけないじゃん…まぁいきなりこんなことになって正直びっくりはしてるけどさ」
今にも泣きそうな藤田の頭をポンポンと撫でてやる。
初めて触ったけど、猫っ毛でふわふわした柔らかい髪だなぁ…ずっと撫でていたくなる。
「野崎さん、触りすぎですよ~ボサボサになっちゃいました!」
「ハハッ、柔らかい髪だなぁ、ずっと触っていたくなるよ」
「…ずっと触っててくれますか?これからも…ずっと…」
少しだけ潤んだ、まん丸な目でじっと俺を見てくる。
「いいよ、ずっと触って触りまくって禿げさせてやる!ははははっ!」
「も~さっきまで可愛い野崎さんだったのに!」
「お前は狼みたいだったぞ?いつもは子犬みたいで可愛いのになぁ」
「え??子犬ですか?ってか可愛いって言いましたよね!?」
満面の笑顔でいつも通りしっぽ振ってくっついてくる。
っつー!可愛い!頬をつねりたくなるぐらい…。
「んんん!??ちょっっっ!」
「野崎さんが優しくしてくれるからまたシたくなってきました」
何度もキスが降りかかってくる。
さっきとはまた違う感覚が全身を走り抜けて、藤田の顔に手を伸ばす。
藤田は覆いかぶさりながらギュッと抱きついてきて、俺の指に自分の指を絡ませた。
「最初は怖そうで近づきにくかったけれど、自分の好きな作家さんの新刊が入って目をキラキラさせてる姿や、お客さんが探している本のタイトルがわからないのに一緒になって一生懸命に探している姿とか…そういうところを見ているうちに好きになっていました」
「ずっと大好きでした…熱心にぺージをめくる細くて長い指も、こうしてキスしたかったです…」
ツンっととがらせた唇が俺の指にそっと触れてペロッと舐めてくる。
「ひゃっ!」
「ふっ…ハハッ!野崎さんの可愛い声聞いたらまた、我慢できなくなりますよ」
藤田が首筋に舌を這わせながら、右手で乳首を刺激し始める。
だんだんと先が固くなってきたところを口に含まれる…
「んっ、やぁッあん!」
「もうこんなになってる、下はどうかな?」
藤田は硬くなったペニスを深く沈めた。
「あッ!あん!うっ…あああぁ!あん!」
角度を変えられながら動かされると気持ちよすぎて腰がガクガクしてくる。
「あッッもう、ああぁ!いきそう優!!」
「名前で呼んでくれた!僕も、律樹さんって呼んでいいですか…?」
「うッッんっ、あん!いいよっ…はぁあん!」
まだ始まったばかりの二人の甘くて刺激的な物語のページがめくられていく。
Fin.
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