幼馴染は俺を求め、不眠症と偽った (Page 6)

 今度は俺の番――。

 仁を跨(また)いで膝で立ち、股間に沈む頭を撫でた。

 躊躇(ちゅうちょ)なく俺の熱にキスをする仁は、前回教えた通りに鈴口を舌先でほじり、根元に指を絡めて緩く扱いてきた。

「っ…、舐めるだけでいいから」

 シャワー浴びてないし、と声をかけると、仁は小さく首を横に振った。

「弘毅の匂いは好きだから…」

 心なしかうっとりとした表情で、仁は俺の熱に頬を寄せてきた。

 予想外の発言に不覚にも胸が高鳴り、それを誤魔化すためにサラリとした髪を指ですく。

「ん、ん…」

「仁はシャワー浴びたんだ?」

「ん、返信見て、すぐ浴びた…」

 仁から「今夜来れる?」と連絡が来たのは今日の午前中で、それに気付いて返信したのは昼過ぎだった。

 講義が終わってサークルには出ず買い物をして、アパートに着いたのは二〇時過ぎ――。

 そんな前から準備していたと話す仁に愛しさが込み上げる。

 本人は自分が何気なく発した言葉や挙動が俺を煽(あお)っていると気付いてもいない。

 神経質で人見知りで、自分の家族ですら接触を拒む仁が、俺にだけは身も心も許している。

 その事実が俺をより調子づかせていた。

「は…っ」

 最初はたどたどしくもすぐにコツを掴んで大胆に、欲望を頬張って、口を窄(すぼ)めて頭を前後に揺らす。

 温かく湿った口で扱かれ、溢れた体液は吸い取られ、息を乱した俺は仁の耳を悪戯にくすぐった。

「ん…ぁ…」

 眉間に皺を刻み肩を竦(すく)めて悶(もだ)えながらも口は離さず――。

 世間知らずで人嫌い、もちろん彼女なんていたこともない仁。

 最低な幼馴染に委(ゆだ)ねたせいで、童貞よりも先に処女を奪われ、さらにはこんなことまで仕込まれて――。

「ぅ、ん、く…んっ、ん…」

 こんな扱いを受けても俺を拒まずに、必死で舌を動かし勃起した性器をしゃぶる。

「…いいよ、もう…」

 両手を頬に添えてそっと引き離す。

 下手だった? そう言いたげに不安を滲(にじ)ませた上目遣いに、違うと首を横に振る。

「上手だったよ、けど…もう仁に挿れたくなった」

 上半身を屈めて唾液と自身の体液に濡れた唇にキスをした。

 数回啄(ついば)んで、薄く開いた唇の隙間に舌先を忍ばせ、歯列を舐めた。

「…はっ、あ…」

 息苦しさに喘いで、仁は縋(すが)るように俺の腕に手を添えた。

 フェラは抵抗なくするくせに、こうした深いキスは息継ぎができないから苦手だと、以前言っていたのを思い出す。

 もっと奥まで舌を入れて、口の中まで舐め回してやりたいけど――。

「ん、ぅ…」

 もうやめて、苦しい、と腕を叩いて訴える仁を見て名残惜しく唇を離した。

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