陰キャの元クラスメイトがドS男子に豹変!? (Page 2)
月野豊。元クラスメイトで、オレも少し話したことあるがプライベートで遊んだことはない。
でも、豊もゲームが好きらしくてよくゲームの話で盛り上がっていた。
「お、覚えてるわけないか……。僕はクラスの隅でいつも1人ぼっちだったし……」
「覚えてるぞ! 久しぶりだな~!」
「え? お、覚えててくれてたの?」
「いつも1人でいたら逆に目立つもんなんだよ! ……そうだ、オレの家近くなんだ。寄ってけよ!」
オレはガバッと起き上がり、5分足らずで到着する我が家に招待した。
*****
「狭くてごめんな~。1人暮らし用のアパートだから、住む分にはちょうどいいんだけど人を呼ぶと狭くて」
「だ、大丈夫。僕の家もこんな感じだから」
オレは豊にお茶とお茶菓子を出し、テーブルを挟んで向かい合うように座った。
「高そうなお菓子だね。僕が食べてもいいの?」
「事務所からもらったやつで食い切れないからむしろ食べてくれよ!」
「事務所……。そういえば、太陽くんはゲーム実況動画を投稿してるんだよね」
「そうそう!」
「高校卒業して1ヶ月くらいで大手の事務所へ入ることにしたんだっけ?」
「そうなんだよ。よく知ってるな」
「活動で忙しいからってほぼ毎日コンビニは健康に悪いよ? サラダも買うならまだいいんだけど、ホットスナックばかりだし」
「え?」
「そういえば、最近新しいゲームの動画を投稿し始めたんだよね? だから朝方まで起きてることが多いのかな~」
オレは久しぶりに旧友と会えた喜びにテンションが上がって、こいつにストーキングされていたことをすっかり忘れていた。
それなのに……家に招いてしまうなんて。
「そ、そういえば……オレのことつけてたのってお前なんだよな?」
「そうだよ」
「な、なんで? 声かけてくれれば……」
「こんなド陰キャで一般人な僕が大人気ゲーム実況者の太陽くんに声なんてかけられないよ」
「で、でも……オレたち友達だし?」
「友達? 太陽くんはそう思ってたかもしれないけど……僕は一度も友達だなんて思ったことないよ」
「ひっ!」
オレは気づいたら壁際に追い込まれていた。
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