傲慢調教師~逆調教メス堕チ~ (Page 2)
「ひゃぁっ…あんっ――ぅクッ!!」
拘束具やムチはニセモノの類だが、“大人のオモチャ”は本物だ。今日は特注サイズ…長さ30cm、太さ6cmもの極太ディルドを用意していた。人体そっくりのそれは快感増強のため無数の突起で覆われ、一度挿れたら簡単に出すことができないようカリ部分へは返しがついていて、直腸をえぐる構造となっている。
とてもじゃないが、昨日今日アナル開発を始めたコイツが遊ぶシロモノじゃない。
「おいおい、力(りき)んでどうすんだよ。ケツ穴緩めて、せめてカリ部分までは挿れろ」
「入らない!入らないッ!入らないッ!!」
恐怖を感じながらもその先を肛門に挿し入れようと傍に置かれたオイルを取った男は、手の平に塗りたくったそれで、入り口を激しく弄(まさぐ)った。焦っているのだろう。
あと5日もすれば給料の締め日がやってくる。迷羊で働くプレイヤーの多くは、金欲しさで風俗に身を投じているのだ。1人でも多くの客を取らなければ、明日生き延びるのさえ難しい奴だっている。
「入らないよ!入れッ!入れぇッ!!」
むせび泣く男も同じこと。ヤクザとして使いものにならなかった男は、カシラの優しさによって何のお咎(とが)めもなしに破門…事実上のクビ宣告を受け、カタギに戻るように言われたのに、それを逆恨(さかうら)みして、立ち退く際に金目のものを盗んできたらしい。
まったく、馬鹿丸出しでどうしようもない――当然、連中に追われる立場となったわけだが、逃げ続けるうちに金が底を尽き、ゲイ専門の“会員制SMクラブ”である迷羊なら安心して儲(もう)けられると、ノコノコやってきたのだった。
この店は、サディスト役とマゾヒスト役の両方が在籍しているのがウリである。
ストレス社会で働く世の男の中には誰かに当てつけをして、うさ晴らししたいという変わり者もいる。女相手であれば抵抗もあるだろうが、顔も知らない同性相手なら都合がいい。そんなワケで、女役の経験のないノンケを虐(しいた)げるプレイが人気の傾向にあった。
店は需要と供給のバランスで成り立っているのだから、幹部である俺――御影貴人(みかげたかひと)は、金目当てで入店してきたノンケ共を、マゾプレイヤーに仕立てあげることに力を注いでいた。この行いは、俺自身の性的欲求を満たすためでもあったのだが…アナルを犯される悦びも、乳首を弄(いじ)られるもどかしさも味わったことのない野郎を調教で快楽漬けにし、客の望む身体へと開発していくのは――なかなかユカイだった。
この手に握られているムチやパドルは、目の前の男にも伝えたように“痛み”を与えることはできないのだが…サディスト側となる客たちがSMクラブの臨場感を味わえるように、マゾプレイヤーには、刺激を感じたときには過剰に痛がるそぶりを見せるか、涙を流すようにと言い聞かせ、『もっと』と行為をねだるようにも指導している。
“お前が手にする金も、ヤればヤるだけ増えるぞ”と告げてやればイチコロなのだから。
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