夏のトライアングル (Page 2)
一体なんだったんだ…。イケメンが去っていったあとも、ジェラシーという炎が燃え上がる俺の心は穏やかにならず、持っていた魔法のコップとやらを思いっきりゴミ箱に投げ捨てた。
「おーい。どうしたんだ?眉間すんごいシワ」
「きょう先輩!!!!」
いつから見てたんですか!でも今、喜びのハードルがすごく低くなっていて、めっちゃ嬉しい。やっとひとりじゃない~。しかし、なんかやっとかないといけないことがあったような。
「あっ!」
「なに?!どうした!」
「ここのゴミ、ゴミ収集場に捨てに行かないといけないっす…」
さっき投げ捨てたゴミ(魔法のコップ)がうずたかく積まれたゴミの上に鎮座している。俺が情熱もって頑張ったおかげでゴミ箱はぱんぱんだ。
「おー、下っ端よ。はやく行ってこい?」
「えー!ついてきてくださいよ!俺が痴漢されたらどうするんすか」
「そんなわけあるか、ばか。俺は見回りのついでに来てるだけだから、ついていけねえ。早く行ってこい」
「はーい」
しぶしぶゴミを集め、ひとつにまとめる。うおっ、結構重いな。
ふうふうと荒い息で、ゴミを引きずりながら歩いていると、やっと大学祭の会場の入り口まできた。よいしょっと、ゴミを持ち直そうとしたその瞬間、ぽん、と肩を軽く叩かれた。
ん?と、衝撃のあった方に首を捻ると、あのふわふわイケメンが再び現れていた。
「あれー?魔法のコップはもってないの?」
「いや!今ゴミ捨てしてるんで!!」
「ふーん、まあいいや。君に用事があるんだけど」
「だから!ゴミ捨て!!」
「いいからいいから」
見かけによらずあまりに強い力で引っ張られ、少々つんのめってしまった。ゴミは置き去りだ。ああ~すいません。あとで捨てます。
「用事って…?」
連れてこられたのは、会場を少し下ったところにある、グラウンドの一角、運動部の部室の前だ。
いきなり、顎を思いきり掴まれキスをされる。
表面だけではなく、きつく閉ざした唇を割って、強引に舌が入り唾液を塗りつけられる。あまりの出来事に頭がパニックになる。なんでキス?とかちょっと気持ちいいとか、俺は男なんだぞとか、なんにもならない思考がぐるぐる回る。
そんなこんな目を回しているうちに両手を絡めとられて、どこから出してきたのか、ベルトで手品のようにひとまとめにされてしまった。
顎を掴んでいた手がツーと首をなぞり、首の中間をきゅっと締める。よろめいたいきおいで、背中が部室の扉に当たり、ついでに頭も打ってしまった。
程よいエロ
とてもおもしろいです。続きは出さないのですか?
ユイ さん 2021年2月9日