夏のトライアングル (Page 4)
「じゃあ、いくよ」
やけに熱っぽい声だと思っていると、ガンガンに腰を進めはじめ、思わず甲高い声が漏れる。
「ぁあ!あっ、ひぁ…あっ!」
全然気持ちよくないのに、痛いだけ。それなのにすこしずつこの状況に慣れはじめ、しかも気持ちよさを遠くに感じている自分がいることに驚がくする。
「うそ!うそうそうそ!やめて…!」
「ふーん、そう言うわりに、セイちゃんも勃起してるよ」
そう言い放つと、ゆるゆると腰を振りながら勃起した陰茎をしごく。
「あ、やばい、それ、やめて…あ、イく!」
「かわいいー。すぐイっちゃった」
びゅびゅっと白濁が眼下で飛ぶのを目の当たりにしてがく然とする。俺はこの変態の手でいってしまったのか?
「やっぱり、おとーとが言うように本当にかわいい。もっとかわいがってあげたいけど今日はこれくらいにしてあげる」
えっと、と思うやいなや、突然激しくなった腰の突き上げで意識が跳びそうになる。そして、秘部にはまっていた陰茎がビクビクと跳ね、生暖かいものが中に溢れてくるのがわかる。
「また遊ぼうね?」
後ろからぎゅーっと抱きしめられた。
「え…セイ?」
まさか。と思い思わず首を巡らすと、一番見られたくない人、きょう先輩がいた。
「おまえらなにしてんの?…嘘だろ」
暗がりで表情はうまく見えないが、声に抑揚がない。当たり前だろう、男同士のこんな現場を見せられて普通の男性は気持ち悪く思うはずだ。
でも、きょう先輩には誤解してほしくない、俺は襲われた側なんだ!被害者なんだ!と声を上げようとした。
「俺がずっとずっとずっと大事に見守って、喰ってやろうと思ってたのによ、千尋、お前なにしてくれてんの?」
「え?」
なんですって?
声をあげようとした口が固まってしまった。頭が急な展開についていけない。というか、はなからついていけていない。
「ごめ~~ん。でもこういうシチュエーションもいいでしょ?一緒に楽しもうよー」
「うるせえ。お前絶対許さないからな」
歩を進め、あっという間に俺の目の前に来たきょう先輩は、前のような優しげな雰囲気はない。
「セイ、お前もだ」
そういって、俺の襟首をつかみ首筋にがぶりと噛みついた。
俺の大学生活、どうなるんだ。
Fin.
程よいエロ
とてもおもしろいです。続きは出さないのですか?
ユイ さん 2021年2月9日