俺の可愛いダーリンの話を聞いて!
伊織 (いおり)は同じ会社に勤める上司の諒 (りょう)と恋人関係だ。諒は優秀な営業マンで頭や学歴もよく、パーフェクトヒューマンに見える。仕事ができない伊織に優しく声を掛けてくれたことがきっかけだったが、諒にはひとつ弱点がある。その弱点とは――。
「おい…隣に聞こえるって…」
入居するときに築50年だと聞いたこのオンボロな社宅に諒の甲高い喘ぎ声が響き渡る。
「だってぇ…ああん…! 伊織のフェラ、すっごく気持ちいいんだもん…! やんっ!」
「諒は相変わらずなんだよ…」
お互いの男性器をしゃぶり合う…いわゆるシックスナインの体勢で、諒が下で俺が上だ。
「あっ、あっ、あっ…!」
「ちょっと黙れ」
腰を落とし、口の中へと深く自分の男性器を押し込み、黙らせる。
「イキそうなんだろ? あと30秒でイかせてあげる」
少し強めにフェラチオをしたら10秒もしないうちに唸り声と共に独特な味が口の中へと広がった。
俺はそれを飲み込むと、
「じゃあ次は俺の番ね」と体勢を変え秘部へと挿入した。
*****
「…おはようございます」
「おはよう」
俺の彼氏、諒は会社のうんと大先輩で、ものすごく優秀な営業マンだ。
見た目もいかにも仕事ができます、といった感じでビシッとしたスーツにメガネだ。
営業トップの座を6年間誰にも譲っていないらしい。
らしい、というのは俺はまだ入社して2年目のペーペーでそれ以前の諒のことは知らないのだ。
学歴なんかも優秀で誰もが知る難関大学出身で在学中に留学もしていたらしく、英語も堪能で字幕なしで洋画を観られるくらいだ。
それに以前、泥酔した諒がソファにひっくり返り、流暢な英語でおそらく会社の不満だと思われるものを大声で漏らしていたこともあった。
中学時代、英語のテストで20点を取ったことがある俺にはなんと言っているのかさっぱりだったが。
会社では名字で呼んでいるし、もちろん敬語で話している。もし俺達が恋人同士だなんて周囲にバレてしまったら…
「またミスしてる、ここ」
「…すみません」
取引先に渡す見積もり表の数字が間違っており、それを指摘される。
…相変わらず俺は仕事ができない。
入社したての頃、別の上司に怒鳴られ遅くまで半泣きでデスクに向かっていたとき優しく声を掛けてくれたのが諒だった。
まさにパーフェクトヒューマン…かのように見えるのだがひとつだけ弱点があるのを俺は知っている。
セックスがド下手なのだ。
親が厳しく、遊びをあまり知らずに大人になってしまったと言っていたが、それにしても限度というものがあると思う。
諒に責められてイったことがないくらいなのだから。
挿入されてもお互いイけず結局俺が責める羽目になるくらいだ。
*****
「また来てるの…」
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