童貞大学生はぬいぐるみ好きヤ●ザを嫁さんにしたい!
ごく普通の大学生――矢井久太は1年前の通学途中、敵対組織から銃を盗んだと話すヤ●ザ、鵡川と遭遇していた。アニキという存在を慕い、イキがってばかりのこの男には、仲間には言えない秘密があった。ひょんなことからその秘密を知った久太は、窮地に陥った彼を一晩だけ匿うことにしたのだが…寝ている彼を目にしたとき、身体が思わぬ反応を示して…。
ピピッ…ピピピ――
ベッド脇の目覚まし時計が午前5時を告げる。我が家にある目覚ましはふたつ。とはいえ、今どき置き型の目覚まし時計を好んで使っているのは、隣で伸びをしている、17も歳上の男――鵡川敏(むかわとし)さんぐらいで、オレ自身のスマホのアラームはあと1時間後に鳴るのだけれど。
「鵡川さん、おはよう」
「悪い、起こしちまったか?メシできたら呼びにくるから、それまで寝とけ。お前は自分の目覚ましの音じゃ、起きやしねぇんだからよ」
ポンポンと頭を撫でてくれる彼の手の平は、大きくて温かい。こんな毎日にもう慣れてもいい頃なのに…オレが起き上がって『鵡川さん、おはようのちゅーは?』と強請(ねだ)れば、彼は枕元に鎮座しているお気に入りのテディベアを抱え、そそくさとキッチンへ隠れてしまう。
「あーぁ、また逃げちゃった…」
キツイ眼光。釣り上がった眉、真一文字に結ばれたまま微動だにしない薄い唇。荒い口調…極めつけに、横暴なふるまい。泣く子も黙る裏社会の人間だった男と大学生であるオレ、矢井久太(やいきゅうた)は先ほどまでひとつのベッド上で横たわっていたのだ。
(やば…勃ってきた――ティッシュ、ティッシュ…)
あとで洗濯するのだから、今ここで一発抜いたって問題はないだろう。周囲に並べられた鵡川さんの友達であるぬいぐるみ達に『あの人には秘密な?』とお願いをして、オレは勢いよくペニスを扱(しご)いた。今ごろ朝食を作ってくれている鵡川さんの“トロ顔”を思い浮かべて。
「鵡川さ…ぅんッ!!」
尿道口から飛び出したヌラヌラとした液体を綺麗に拭き取って、室内のゴミ箱に捨てる。ちょっとした背徳感がオレの興奮を高めるのだからたまらなかった。
いきり立ったまま収まりを見せないペニスをなんとか下着に入れ込むと、彼にバレないように手を洗い、キッチンを覗く。前職の名残(なごり)なのか、薄いレンズの色付きサングラスを室内でも外さないあの人が、軽快にフライパンを振っているところだった。
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